Forest Sync.(水と光の幻影)

何時も季節を感じていたい・・・
飛騨高山発信フライフィッシングのブログです。

初ヤマメ 2011

2011-03-21 07:36:44 | Fly Fishing
地震発生の翌日。

TVからは被災地の深刻な状況が次々と伝えられている。それを見て、日本中の人々が心を痛め心配している。被災地の方々は、被災経験のない人々には容易に想像できない苦労、苦痛を強いられているはずだ。

土曜日で仕事が休みの私は、午前中に野暮用を済ませた後、遅めの夕食を終えた。時間が空いた。夕刻にも所用があるのだがそれまでは暇なのだ。

これから釣り場に向かって1時間だけロッドを振り帰路につけば、所用には間に合わせることができる。私は、自分が普段と何ら変わりのない日常生活を送っていることに深く感謝し、釣行を決意した。

不謹慎かも知れないが、沈んだ気分を少し変えたいという思いもあった。今は震災を憂いているのだが、過去、私は、個人的な問題で悩んで行き詰った時など、釣りをすることによって気分転換を図ってきたのだ。

晴れて明るくて暖かく、なんだか勿体ないような天気だ。

川に向かう車の中、いつもなら好きな音楽を聴くのだが、この日はラジオにした。福島原発の危機がさかんに報じられている。気分は天気のようには晴れない。

途中、道路のひび割れで通行止めになっている区間がある。幸い迂回路があり釣り場に辿り着くのに問題はない。三陸沖の震源からはずいぶん離れているのだが、こちらでも揺れて、その時にひびが入ったのだ。

午後3時、奥飛騨温泉郷の川に着いた。前述の通り時間に限りがあるので、ポイントを1つのプールに絞り込んだ。ライズがあると見込んだからだ。

川岸の雪の上にシロハラコカゲロウの亜成虫を確認することができた。



時々ライズが起きる。

狙いを定め、フライを投げる。

この日の為に巻き貯めておいた、シロハラコカゲロウのダンを意識したフライだ。

喰ってきたが、1匹目は勢い余って合わせ切れだ。リーダーとティペットの結び目が弱っていたようだ。

2匹目は針掛かりせず・・・

3匹目、ようやく手にすることができた。



ストマックの中身を確認した。腹一杯虫を食べていた。



手にしたヤマメを見て、いつも通りの春が来たのだと感じた。同時に、自然の少しの気まぐれが、我々のこの日常を、いとも容易く奪い取ることができるという事実に、言いようもない恐怖と気味悪さを覚えた。


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コメント (6)
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