Forest Sync.(水と光の幻影)

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9月19日原発事故東京地裁判決にて思うこと

2019-09-21 12:06:55 | 記憶
人類は古来より、自然の恵みを得て生きていました。そして、しばしば猛威を振るう自然災害を恐れるとともに、自然を崇めていました。

人類の共通認識として、自然に生かされているのだという感覚が、あったのだと思います。

ところが、現在の我々はどうでしょうか?

ここ数年、頻発している豪雨などの被害を、目の当たりにし、自然の恐ろしさを感じる機会は少なくありません。

しかし、現在の我々に、自然を畏怖し、恐れるという感覚が残っているのでしょうか?

思うに、科学技術の進歩により、人類は思い上がり、そういった感覚を忘れたばかりか、自然を支配しているような錯覚に陥ってしまったのでしょう。

先日、東京地方裁判所で、福島第一原発事故について安全対策を怠った罪に問われた東京電力の元経営陣を無罪とする判決が言い渡されたそうです。

皆さまは、その報道を受け、どんなことを感じられたでしょうか?

私は、三つの違和感を覚えました。

一つ目は、責任有無の争点が、大規模地震や津波が予測できたかどうか(たぶん発生した津波が予測の範囲内だったかどうか)というところにあることです。

先ほど申し上げたことに関連しますが、人類を含めた地球上の生物は自然に生かされていると、私は考えています。そしてそれは、人類は自然を支配することはできないことを意味しています。これは私見ですが、皆さまにもご理解頂けると思います。

ですから、人間が自然災害の規模を想定しそれ以上の災害が起こらないと決めつけることはあってはなりません。(もちろん、自然災害の規模を想定することは必要でしょうし、それを否定しているのではありません。)
そもそも、人間の想定以上のことが起こりうることを前提としなければいけないのです。
それなのに、大規模地震や津波が予測できたら有罪、できなかったら無罪というのは、争点自体が、自然の脅威を無視した人間の傲りによる発想によってしか成り立たないと感じてしまいます。

二つ目の違和感は、人間が作った設備があれだけの被害をもたらしたというのに、その責任を取る人間がいないということです。

想定以上の津波による被害だから、悪いのは自然災害であって、事業者やその経営陣が悪いのでは無いと云っているように感じます。

もっとも、個人が責任を取れるような、事故ではありませんが。

そして三つ目の違和感。

判決どおり旧経営陣が罪に問われないのなら、何ら落ち度の無い経営をしていても、予見できない自然災害が発生した場合、原発は大惨事を引き起こすということが明らかになったと言えます。そんな危険なものなのに、日本政府は、原発を廃止しようとしません。

予見できない自然災害が原因の事故が発生しても、だれも責任が取れないというのなら、日本は、(事故があった場合深刻な被害が発生する)発電所(原発)の稼働を一切認めない政策に改めるべきだと思います。





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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (私魚人)
2019-09-22 09:03:52
おっしゃる通りだと思います。
放射性廃棄物などの事後処理さえ不確定なまま
原発を推進したこと自体、自然に対する暴挙だと思います。
責任をとらない、あるいは未来に押し付けるのは卑怯だなと、常々感じてます。
今回の判決内容も多くの課題が見え隠れしてますよね。
返信する
はじめまして! (小平次)
2019-09-22 10:16:07
はじめまして!

小平次と申します
みんなのブログからまいりました

本当におっしゃる通りだと思います

法治国家なるものの限界も感じます

いまだに原発は安全だという人もいますが、安全ならばなぜ福島の人たちは家に帰れないのでしょう

拝読させて頂き、とてもすっきりしました

ありがとうございました
返信する
私魚人さんへ (Blue Wing Olive)
2019-09-22 20:04:17
コメント有り難うございます。
こういう重要事項も近視眼的な対応しかできないのは、なさけないことだと思います。
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小平次さんへ (Blue Wing Olive)
2019-09-22 20:12:34
コメント有り難うございます。
法治国家、その運用自体が原則通りになされていないように感じます。
義務教育では三権分立などと教わったけど、司法判断が独立性を保っているか、疑問です。
返信する

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