poco a bocco

自然の素材がもつぬくもりやパワーに助けられての作品づくり
poco a poco のペースで進みます~♪

ありんこ

2014-08-10 18:10:10 | ひとり言
熱帯夜と真夏日が続いている
避暑に出かける術のない私は
汗だくで過ごす
午後になると風通しの良い場所を見つけて
ごろりと横になる

陽が少し落ちたころ、ベランダに出てみる
乾いた風が心地よい
今夜はここで眠りたいくらい…

室内には熱気がこもり
扇風機やサーキュレーターを総動員したところで
その熱い空気の塊はびくともしない
眠りにつく前後の2~3時間だけ しぶしぶ冷房を入れることになる

ラジオやテレビでは しきりに熱中症対策を呼びかける
無理な我慢をせず 冷房を適切に使いましょう…って

確かにそう
我慢しすぎて体調を崩しては元も子もない
そんなことは誰だって分かっている

しかし、この異常な暑さの原因の一端はどこにあるのか
冷房によって需要が膨大化する電力はどうやって供給するのか
むろん 原発反対 だから電力にはいっさい頼らない…という
頑なな原理主義を展開する気はないが
安易な冷房キャンペーンには うんざりなのだ

そんなことに思いをめぐらしながら
ふと視線を下に向ける
乾いた地面の一か所が盛り上がり
その中央には穴が空いている

アリの巣だ!
暑さ寒さなどには関係なく…なんてことはないのだろうが
アリたちは ともかくもこの猛暑の中で
ひたすら生きるための営みを続けているのだ…己の身体を動かして

その慌ただしく行き来するアリたちの様子に
暑いだの、寒いだの、世の動きがどうだの…と不平を並べ
顔をしかめている自分のつまらなさが悲しくなった

::::::::::::::::::::

数日後…つまり台風11号が四国に上陸し日本海へ抜けて行った今日
雨の合間にベランダの下を覗くと 巣穴は跡形もなく消えていた

アリの巣穴の周囲に土が盛り上がっているのは 巣の拡張工事をしているとき
彼らは雨が近づくと地上に続く穴を塞ぎ 雨水の侵入を防ぐ

ネット情報ではあるが こんな説明を見つけた

本能ってすごい
生きるための知恵や力がDNAにしっかりと刻まれているのだろう

12:43頃 台風の余波による強風と時折の激しい雨の中
緊急地震速報のチャイム音に 私は肝を冷やす

自然の前にあって人間は無力だ
私たちは 自然の つまり地球の恩恵を受けて20万年を生き延びてきた
人類の無力さと自然の偉大さを証明するには
この厳然たる事実を認めるだけで十分ではないか

いろんな意味で 謙虚であらねば と思う
愚にもつかぬ思考はやめて
自分の足下を見つめ 内なる声に耳を傾け 祈りたい

What is essential is invisible to the eyes
〈ほんとうに大切なことは目に見えない〉
はるか昔の夏休みの課題で暗誦したセンテンスの一つを思い出した
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2 コメント

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Unknown (あみんこ)
2014-08-14 09:26:31
私は植物から生き方を考えさせられています。春先になって小さい緑の葉をつけ薄黄色の小さな花をつける灌木。あっという間にその時期は過ぎ、また茶色のすすけた木になるだけ、また春になれば。
自分の役割をまっとうしている姿に頭が下がり、いつになったらこのような生き方に近づけるのか、と。
人は各人役割を担ってこの世に生まれてくるのだと、言うが。薄ぼんやり見えている気もするが。。。
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あみんこさんへ from ありんこ (Bocco)
2014-08-15 13:15:48
なるほど…。
無言のうちに大切なメッセージを伝えてくれる生物たち。
生物に限らず森羅万象あらゆるものに学びの材料はあるわけで、しかもそうしたものたちは必ずしも何かを伝えようとしているわけではない。。。
そこに何かを見いだし掴むかどうかは人それぞれで、その人次第。
見ない、掴まないという選択や結果もあるのでしょうね。

今、徳永進先生の著作を年代順に片っ端から読んでいるのですが、人間の死(=生)の本質に迫る内容にすっかり引き込まれています。
どうだ!…と投げつけたり押しつけたりするようなものではなく、徳永先生の “思うところ” が淡々とソフトに綴られており、それが却って読み手の思いに迫ってくるのです。

いまだ「自分の役割」が見つけられずにウロウロとさまよっている私は、さらに迷路の奥へと向かってしまう危険を感じつつも、ページをめくっています。
何かを掴もうとして掴めるものではないことは承知の上で “あがいて” いるのです。。
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