堀之内地区の水路脇に生えている「ジュズダマ(数珠玉)」。イネ科ジュズダマ属の多年草で東南アジア原産。草丈は2メートルにもなる。その名は果実(苞鞘)を繋いで数珠にしたことに由来している。果実は堅く噛んでも割れない。
イネ科ジュズダマ属の「ハトムギ(鳩麦)」。草丈は1.5メートルにもなる多年草でジュズダマの栽培により生じた変種のようだ。果実は長さ8~10ミリで表面に縦縞がある。ジュズダマの果実は堅くて噛んでも潰せないがハトムギの果実は柔らかく爪でも割ることができる。種子には利尿、消炎などの薬効がありハトムギ茶としても利用されている。
長沼公園“野猿の尾根道”で見られる「シラヤマギク(白山菊)」。キク科シオン属の多年草でやや日陰の野山に生育し草丈は1~1.5メートルにもなる。花期は7~10月だが晩秋でも咲き残ってることがある。果実は痩果で長さ3~4ミリ。先端には長さ4ミリほどの冠毛が付いている。
マツブサ科サネカズラ属の「サネカズラ(実蔓)」。夏に葉腋から花柄を出して雌雄の花を咲かせ晩秋に果実が稔る。結実後、花托がミラーボールのような球体に成長しそこに直径1センチほどの液果が20~30個付く。昔は茎から採れる粘液を整髪料に用いられたため「ビナンカズラ(美男蔓)」とも呼ばれている。
昨日までの暖かさから一転して今日は真冬の寒さ。午前中から冷たい雨だが降り始めはみぞれ混じりだった。いよいよ東京も本格的な冬の到来だ。
写真はキク科ヒヨドリバナ属の「フジバカマ(藤袴)」。秋に茎の上部で枝分かれした花序を出し淡紫紅色の小花を多数咲かせる。秋の七草のひとつで昔は身近に見られたようだが最近は野山で見ることはほとんど無い。果実は長さ2.5~3ミリの痩果で先端に長さ5~6ミリの冠毛がある。
高尾山“1号路”で見られる「ヤマホオズキ(山酸漿)」。ナス科ホオズキ属の多年草で山地のやや湿った木陰に生育している。草丈は40~50センチで茎は細く良く枝分かれする。8~9月に葉腋に下向きの花を咲かせ、その後萼片が大きくなって果実を包む。ヤマホオズキはホオズキの野生種でホオズキのように殻(萼片)は赤くならず枯れて果実の表面に付く。果実は液果で直径は1センチほど。
高尾山“1号路”で見られる「メグスリノキ(目薬の木)」。ムクロジ科(←カエデ科)カエデ属の落葉高木で宮城県以南に分布している。葉は小葉3枚からなる3出複葉。葉身は長さ5~14センチで側脈は15~18対ある。メグスリノキの名はこの樹皮を煎じた汁を目の洗浄に利用したことから名付けられている。姫路市史には戦国武将の黒田官兵衛の祖父、黒田重隆が家伝の目薬を調合して播磨一円に売り歩き財を成したとの記述があるようだ。司馬遼太郎著の『播磨灘物語』もそのくだりがある。
シソ科カエンキセワタ属の「カエンキセワタ(火炎着せ綿)」。南アフリカ原産で現地では常緑の低木だが日本では冬には地上部が枯れるので多年草ともされる。10~12月に火炎のように見える橙色の花を咲かせる。ひとつの唇形花は長さ7~8センチで段状に花序を付ける。キセワタの名前は花冠の上部に白い毛が密生し綿を着せているように見えるという意味。