訳者によると、イタリアの児童文学は、19世紀の独立戦争を経て、1861年の独立達成を機に再スタートしたとのことです。
30%以下の識字率の克服ための義務教育制度の発足や、外国の支配によりバラバラになっていた国家の統一といったことと、児童文学は無縁では居られなかったと思われます。
そうした状況において、現代でも読み継がれている「ピノッキオ」や「クオレ」といった優れた児童文学作品が登場しました。
寓話的ファンタジーとリアリズムといった表現形式の違いはありますが、どちらも教育的な側面(「よき市民をつくる」、「愛国心の育成」など)が色濃く表れていて、その後のイタリアの児童文学に大きな影響を与えたようです。
そうした中で、国家の意向とは無縁に、民衆の感情に根差した「マルコヴァルドさんの四季」が誕生したのは、著者も指摘しているように、イタロ・カルヴィーノがこの作品に先行して、200篇以上の民話を再話してその広がりを解説した1000ページに達する大作の「イタリア民話集」を出版したこととは無縁ではないでしょう。
日本でも、松谷みよ子が民話の再話(「龍の子太郎」など」)からスタートして、それを土台にして「ふたりのイーダ」や「ちいさいももちゃん」などの新しい児童文学世界を切り拓いていったのと、共通性があると思われます。
30%以下の識字率の克服ための義務教育制度の発足や、外国の支配によりバラバラになっていた国家の統一といったことと、児童文学は無縁では居られなかったと思われます。
そうした状況において、現代でも読み継がれている「ピノッキオ」や「クオレ」といった優れた児童文学作品が登場しました。
寓話的ファンタジーとリアリズムといった表現形式の違いはありますが、どちらも教育的な側面(「よき市民をつくる」、「愛国心の育成」など)が色濃く表れていて、その後のイタリアの児童文学に大きな影響を与えたようです。
そうした中で、国家の意向とは無縁に、民衆の感情に根差した「マルコヴァルドさんの四季」が誕生したのは、著者も指摘しているように、イタロ・カルヴィーノがこの作品に先行して、200篇以上の民話を再話してその広がりを解説した1000ページに達する大作の「イタリア民話集」を出版したこととは無縁ではないでしょう。
日本でも、松谷みよ子が民話の再話(「龍の子太郎」など」)からスタートして、それを土台にして「ふたりのイーダ」や「ちいさいももちゃん」などの新しい児童文学世界を切り拓いていったのと、共通性があると思われます。
マルコヴァルドさんの四季 (岩波少年文庫) | |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |