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れくす先生の歴史模擬授業 第2回 年号・西暦・世紀・時代

2024年09月15日 09時00分00秒 | れくす先生の歴史模擬授業

みなさま、本日もありがとうございます。

今回も、れくす先生の歴史模擬授業シリーズです。

今回は、第2回 年号・西暦・世紀・時代 の話です。

 

 

※この授業のコンセプトは第1回の内容をご覧ください。

 

ではでは始めます。

 

れくす先生の歴史授業 第2回「年号・西暦・世紀・時代」

では、第2回の授業を始めます。

 

 

 

 

 

「歴史を学ぼう!勉強しよう!」と突然、言われても、

どうやって勉強したらいいか、わからないですよね。

 

そこで必要な、頼もしい相棒が「数字」と「言語」となります。

 

 

人間が歩んだ歴史を

数値化言語化(単語づけ)をすると情報を整理しやすく、理解しやすくなります

自分独自の数値化・言語化をするのも悪いことではないのですが

共通の数値・言語で考えた方が、あらゆる書物を自分で読み、疑問に思ったことも調べやすくなります。

 

そこで、歴史を学ぶにあたって、

ア:歴史の流れを数値化したもの・・元号西暦など

イ:歴史の流れに区切りをつけて名称をつけたもの・・○○時代など

 

今回はアの話(歴史の流れを数値化したもの)を見ていきます。

 

1:歴史の数値化(元号・西暦など)

 

歴史を数値化して見るには1年単位で数値化して見ていくことが多いです。

 

私たちが日本で、数値化された歴史を学ぶには、今は2つのタイプがあります。

 

それが、

古代中国式の数値化、と、ヨーロッパ式の数値化のものがあります。

 

ア:古代中国式の数値化のもの:「年号(元号)」

この「年号(元号)」は日本でも独自で制定されています。

 

 

イ:ヨーロッパ式のものが「西暦」

西暦とは、西洋の暦で記されたものです。

ヨーロッパ地域のことを「西洋」と日本では言うので「西洋の暦」で「西暦」と考えて良いでしょう。

 

 

 

もう少し、細かく見ていきましょう。

 

ア:年号(元号)

 

年号(元号)とは、陰陽五行説、王朝交代の易姓革命という考えのある古代中国で生まれた暦(カレンダー)の考え方です。

元号は、君主(皇帝)が代わったとき、や、なにかの事件や大きな変換期があったりするときに、名称を変える暦の考え方です。

日本でも飛鳥時代から古代中国式の暦の考え方を導入しました。今でも、年号(元号)は使っています。

(年号と元号の違いは、違いがあるという説はありますが、今は、ほぼイコールと考えて良いです。

ただし、明治時代からか一世一元の制に変更になり、1人の天皇につき、1つの元号と定められました。

元号のほうが法律用語になります。)

 

年号(元号)の表し方は、たいがいは、「漢字2文字に数字+年」です。

日本の年号(元号)の例としては、大化1年承久2年昭和23年など。

日本史においては、年号(元号)の漢字で歴史的事件などを表すことがあります

大化の改新や承久の乱など。

歴史用語というのは、その歴史事件が起きた後に、つける用語なので、そのような名称をつけることも、よくあります、

 

なぜ「このような歴史用語なの?」と疑問と不安を感じて、

それでパニックをおこして頭が真っ白になるタイプの子は

「この謎の単語は元号(年号)由来の用語なのかも?」と思うことで、パニックを防げるかもしれません。

 

 

そして、よくテスト勉強で「年号を覚える!」と言いますが、

それを文字通りとってしまうと、

「大化の改新は大化1年」と覚えなきゃいけなくなります。

でも、実際には「大化の改新は645年」と覚えますよね?

(※数値は覚えなくてもテストで点数はとれます。それについては、別記事で。)

 

その645年、という数値の表し方は、次、お話する西暦になります。

 

イ:西暦

西暦はヨーロッパで広く信じられているキリスト教に関係する暦(カレンダー)です。

キリスト教はイエス・キリストを救世主として信じる宗教です。

そのイエス・キリストが生まれた年を紀元の年(はじまりの年)とします。

(紀元とは、ある出来事がおこった年をスタートの年として、それから何年経ったか?を事件で計測するものです。)

そのキリストが生まれるを紀元の前なので紀元

キリストが生まれたは紀元の後の年なので紀元、という単位をつけます。

また、アルファベットで紀元前をB.C.、紀元後をA.D.と表記することもあります。

※B.C.は英語の「Before Christ(キリストより前の)」、A.D.は

ラテン語(古代ローマで使われていた言語)の「Anno Domini(主の年に)」の略です。

略を表すのに「.」をおきます。(※Beforeの略でB.)

 

表し方の例としては、紀元前3年、B.C.3年、紀元後4年、A.D.4年、など。

ただし、紀元後(A.D.)は省略することもあるので

もし「4年」とだけ書いてあれば、それは「紀元後4年」のことです。

 

ここで気をつけたいことは、

紀元の元年の年から見ることになるので

紀元前・紀元後は、その元年の年からどれだけ離れているか?で考えます。

そのため、紀元後1年と紀元後2年なら、時間軸としては紀元後1年のほうが古い年ですが

紀元前1年と紀元前2年なら、紀元前2年の方が古い年になります。

 

 

この内容が、定期テストで出ることもあるので、頭の中で数直線を考えて解くようにしましょう。

(わからなくなったら、メモで数直線を書くのもありです。)

 

 

イ-2:世紀

 

さらに、西暦では100年ごとに区切る単位があります。それが世紀というものです。

 

1世紀は1年~100年、2世紀は101年~200年です。

よく2世紀は200年代と思ってしまう人もいますが、2世紀は200年を除いて、ほぼ100年代です。

もし、頭がぐちゃぐちゃになるようなら、教科書やテキストに

「○世紀」という表記のそばに「××年代+□□年」とメモをしておくのも手です。

ノートでも、「○世紀」と「××年代+□□年」と記す形だと

頭がスッキリするかもしれません。

 

 

 

 

次はイ:歴史の流れに区切りをつけて名称をつけたもの・・○○時代を見ていきます。

 

 

2:歴史の流れに区切りをつけて名称をつけたもの・・○○時代など

 

人類が歩んだ膨大な時間を、ひたすら順番に学んでいく形にすると、情報過多に感じますので、

ある程度、区分けをすると、頭が整理しやすくなります。

 

社会のしくみや政治の中心地などで変化がおこったごとに区分して、その区分にそれぞれ名称をつけていきます。

その区分の1つを「時代」と言います。その時代の名称と、その順番を覚えていくことも大切です。

 

 

(1)時代区分

よく使う時代区分は、大きく区分したもの、さらにもう少し細かく分けて区分したもの、があります。

 

  • 大きい時代区分(原始・古代~近代・現代)

大きく区分したものは、社会のしくみの特徴ごとに時期を区分しました。

古い時期から順に、原始古代中世近世近代現代、です。

国ごと、地域ごとに、この時代区分の名称は使いますが、時期がズレることがあります。

 

この授業では、私立中学受験をする予定の小学生の受験対策、そして中学生の定期テスト&高校受験対策、を想定して

お話をしているので、日本史の時代区分と西洋史の歴史区分に特化してお話する形になります。

 

  • 時代区分2(「○○時代」)

 

原始・古代~近代・現代よりも、もう少し詳しく分けたのが、「○○時代」という名称と思っても大丈夫です。

この授業では、日本の「時代」の名称のみ扱います。

 

日本の時代区分では、だいたいは政治の中心がどこにあったのか?で区分しています。

ただし、政治の中心がはっきりしない(そもそも中心地がない、もしくは中心地があるが形式的なものだったりするもの)ものは

その時代の文化や、社会の特徴を主軸に区分することもあります。

また、ある時代の一時期のみを、また別の名称で表すことがあります。(南北朝時代や戦国時代など)

※明治時代以降は、「時代区分」というより、年号(元号)の表し方です。

 

 

日本の○○時代を古い区分から書いていくと、

旧石器時代縄文時代弥生時代

古墳時代飛鳥時代奈良時代平安時代

鎌倉時代室町時代安土・桃山時代江戸時代

明治大正昭和平成令和・・・・・となります。

 

世界史的には、旧石器時代の後の時代は新石器時代なのですが、

その新石器時代にあたる部分は日本では縄文時代となります。

 

日本の政治の中心の場所が、ある程度明らかになる時代は、古墳時代あたりです。

飛鳥時代は奈良県の現在の明日香村が政治の中心地、

奈良時代は同じく奈良県が政治の中心地ですが、明日香村でなく現在の奈良市が政治の中心地になります。

※ただし、飛鳥時代、奈良時代の間には、一時的に別の地域(難波、大津、恭仁など)に都をうつすことはありましたが

多くの時期が明日香村、奈良市(最終的にその場所に戻ってくる)が政治のメインなので、

時代区分としては、飛鳥時代・奈良時代として分けていると思われます。

平安時代は、京都府京都市が政治の中心地になります。

 

古墳時代から平安時代の政治の中心は、大王(のちに天皇)を中心とした朝廷になります。

(ただし、大王・天皇の権力の強さや政治の仕組みは時期によって変わってきます。)

 

鎌倉時代から江戸時代は、朝廷は存在していますし、幕府とは密接な関係を持っていますが、

幕府が政治の実権を握っている状態っています。

(その実権の強さは時期によって違います。)(安土・桃山時代は除く。)

 

この時代の多くは、政治の実権は「武士」が握っている時代です。

幕府が、神奈川県鎌倉市にあった鎌倉時代(始まりは、幕府を開く前から)、

    京都府の室町にあった室町時代(途中で幕府そのものは室町から移動している)

    東京都(江戸)にあった江戸時代

・・・という区分けです。

安土・桃山時代は、当時の権力者の居城の場所からの名称です。(居城とは、領主が拠点とする城のこと。)

織田信長の居城が安土城(滋賀県近江八幡市安土町)であった時期を安土時代、

豊臣秀吉の居城の伏見城(京都市伏見区桃山町)であった時期を桃山時代、

と言います。

 

 

ただ、この時代区分は、あくまで「情報整理」しやすいための時代区分なので、

その時代を生きていた人が「今は、○○時代だな~」と考えて生きていたわけではありません。

「後から考えて、○○時代」と名付けられるわけです。

 

そのため、がっちりと「××年から、○○時代」としているものからもあれば、

「この時期あたりから、○○時代」としているものもあります。

さらに、鎌倉時代などは、昔は「1192年」からでしたが、「1185年」とするのが主流です。

1192年は源頼朝が征夷大将軍に就任した年ですが、

1185年の時点で、源頼朝が全国の武士を自分の支配下においた年(守護・地頭をおいた年)となります。

源頼朝が武士のトップにたち、政治をスタートしたのを考えれば1185年から鎌倉時代と見るのか、

その武士のトップとしての官職(朝廷での職業)としてスタートしたのを考えれば1192年から鎌倉時代と

見るのも正しいです。

 

何が言いたいか?というと、テスト勉強においては

「何年から○○時代か?」をこだわる必要はありません。

もし、「何年から○○時代か?」を考えたいなら、かなりの知識量が必要で

これこそ大学に入ってから考える案件だと思います。

 

なので、その時代区分は、情報を整理するためのもの、と考えて、

パニックにならないで勉強し続けていけば良いでしょう。

 

(2)時代区分1と時代区分2をすりあわせる

 

(1)でお話した区分を、すりあわせていきます。

日本の場合は、

 

弥生時代の途中あたりまで原始

弥生時代の途中あたりから平安時代の終わりあたりまで古代

平安時代の終わりあたりから室町時代の終わりあたりまで中世

室町時代の終わりあたりから江戸時代の終わりあたりまで近世

江戸時代の終わりあたりから第二次世界大戦終了時まで近代

それ以降現代

という形になります。

 

画像でまとめてみました。

 

 

どうして、「途中あたり」「終わりあたり」と、ぼやかしいているような書き方か?というと

歴史というのがどういうのか?を考えると予想がつきます。

 

現在でも、何かの制度が新たに導入されたり、トップの変更があっても

その導入された瞬間、変更の瞬間に劇的に変わるわけではないですよね?

徐々に、徐々に変化していって、後から考えれば、あのときが変化のきっかけだったな、

と思うわけです。

歴史で使う用語は、後の世界に決まるものなので。

・・・・ということから、

「変化したのは、この時期あたりだよね?」ということになるので、あいまいになります。

 

歴史を学ぶ際は、はっきりしているようで境界線があいまいなことは多々あります。

「あいまいな表現」であると理解しづらい、不安感を覚える人はいると思います。

私もそうでした。世の中では「歴史はハッキリしている」という風潮で教えられることもあり、

「ハッキリしている」「あいまいである」の、異なる矛盾した事実のダブルバインドが

私の中でおこっていました。

だから、小・中学生のとき、歴史は苦手でした。

、「歴史は、あいまいである」ということで1つに決めてしまえば、

ダブルバインドにならないので、そう思うようになってからは歴史の勉強は楽になりました。

 

「あいまいなところはあいまいなまま」で良いんです。

 

今回は以上です。

とても長々と話す形になりました。

この部分は「最初から、全部覚えてからでないと、具体的な歴史の勉強に進めないの?」と焦らなくて良いです。 

旧石器時代、縄文時代、弥生時代・・・と勉強していくにつれて、何度も見返してくうちに、覚えていくことになりますから。

勉強して「ん?」と思ったことがあれば、その都度、この内容を見直していくと良いと思います。

では次回から、具体的な歴史を見ていきましょう。

 

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今回は以上です。ご覧頂きありがとうございました。

この授業はあくまで、私の個人的意見で書いていますので

もしお気に召さないものがあれば、そっと記事を閉じていただけると助かります。

 

やっと次から具体的な内容に入ることができます。

まだ記事の画像ができていないので、完成次第、アップいたしますね。

 

次回予告:人類の誕生