ゆんのひとり言

~お酒とお芝居と歌とスイーツをこよなく愛するゆんの日記~

トーマの心臓小説版

2010-12-03 08:18:08 | Weblog
トーマの心臓の小説版などというものが出ていることを、
つい最近知りまして。

去年発刊されたみたいですけど。

森博嗣さんの作。

面白そうなので読んでみました。


まず、設定が日本に置き換えられてます。
近くに海浜工業地帯…なんて書かれると、
なんか一気に味気ない気分になってしまうのは私だけでしょうか(;^_^A

設定が日本なので、当然登場人物も日本人です。
オスか-のみハーフでしたけど。
でも名前はユ-リとかエ-リクとかそのまま。
学校の習慣で、ニックネームで呼びあうってことになってます。

…どんな学校ですか(^^ゞ

割と原作通りに進みはするのですが、
やっぱり日本に置き換えて、宗教色を完全に排除してしまったことで
なんか違うな…と。

宗教心は全く無いので想像に過ぎないのですが、
やはりユ-リの苦悩の深さと、「赦し」というキーワードは
宗教無しには語れないと思うんですよね。

暴力に屈して、
神よりもサイフリ-トの方が上だと言ってしまったこと。

自分の命を差し出してでもユ-リを救いたいと思ったトーマの気持ち、
同様のエ-リクの気持ち。

更に、母の死の原因となった校長を父と認め、
愛していると言うオスカーの気持ちといった
深みが感じられないんですよね-。

サイフリ-トに何をされたのかもぼかされてるし。

エ-リクの、ユ-リに対する思いもよく分からないし。

まぁ、日本人の中学生あたりが
「僕の翼をあげる!」 なんて言ってたら

はぁ?!

って言っちゃいますけど(笑)


全くの別物、と思えば楽しめるんですかねぇ。

エピソードも色々カットされていて、
ちょっと残念。
エ-リクとシュバルツの件とか。
そのまま小説化するとすごい分量になるんでしょうねぇ。

あ、保健室のマリア先生は小説のオリジナルキャラで、
バッカスや医師の役を兼ねていて、
登場人物を減らせてスッキリまとまっていたと思います。
まぁバッカスは登場してはいたんですけど(;^_^A


絵って色んなことを語れるんだな、と
改めて絵の雄弁さを思い知らされたのでした。
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