ゆんのひとり言

~iLYsゆんの推し事とスイーツを語るブログ~

「トリスケリオンの靴音」@赤坂レッドシアター

2019-09-08 17:00:00 | 観劇記&鑑賞記

曽世さんご出演ということで,観に行ってきました。
堤泰之作・演出の三人芝居。
久保田秀敏さん,糸原舞さん,そして曽世さん。
去年3月に上演されて,今年が再演でしょうか。
キャストは一新されてます。

舞台はひなびた田舎の,古い家。
上手に母屋,下手に納屋を改築した居室。
真ん中に,庭。
季節は秋,庭のそここに葉が落ちています。

彫金家・見城海山の工房を資料館として改築,公開しよう,という企画のもと,
故・海山宅を訪れた設計事務所の従業員・佐久間(久保田秀敏)。
そこには海山の唯一の弟子・土門(曽世海司)が,
海山亡き後も,住み続けています。
海山の生前のエピソードを,土門から聞く佐久間。
そこへ,海山の娘を名乗る女性・和歌子(糸原舞)が現れ,
ここは自分の家だから,即刻出ていけ,と土門に言い放ちます。
土門の知る海山,和歌子が亡き母から聞かされていた,海山。
そして,無関係と思われた佐久間と海山の関係が明かされ…

そんなお話。
タイトルだけ見た時は,なんか難しそうな作品なのかな…
と思っていたのですが,パンフレットを見て,堤さんの作品なら
そんなことはないな,と。
実際に,ほっこりと心温まる作品でした。

海山の残した創作ノート兼日記を,土門が読み上げ
過去の回想シーンと現在とを行ったりきたりするのですが,
回想シーンのちょっとエロティックな照明がステキでした。

以下,ネタバレです。

交通事故で片足を切断した,海山の妻・十喜子は,
自分の介助をしていては,海山が創作に熱中できない,と
家を出て行ったのですが,海山は男と出て行った,と誤解をし,
そして,和歌子はヘンクツじじぃの束縛に耐えられなくなって出て行った,
と思い込んでいます。

最後にそれぞれの誤解が解けるのですが,
なぜ,和歌子はそう思うようになったのか・・・。
普通に考えて,母からそのように聞かされていたから,だと思うのですが,
だとすると,なぜ母はそのような嘘を娘についたのか。
私の想像力では,ちょっとピンときません。

そして,実は十喜子の右足を奪った,
事故の相手方ドライバーの息子だった,佐久間。
両親は離婚して,父とはずっと会っていませんでしたが,
佐久間の勤め先の社長が,実は父の友人で,
事故のことを気に病んでいる,病床の友人を慮って
佐久間を「記念館」という名目で海山宅へ行かせる,と。

従業員10人程度の小規模事務所のようですが,
経費で交通費&宿泊費を出し,数日従業員を遊ばせる余裕のある事務所か…
とか,下世話なことを考えてしまう私は,
心が汚れているのだと思います(爆)
百歩譲って有給だったとしても,交通費と宿泊費までは・・・
(しつこいw)

ちょっと「甘いな」と思う部分もあるにはあるのと,
煙いのがちょっとイヤでしたが(和歌子が3回,煙草を吸います),
全体的にはとても見やすい,ほっこりする作品に仕上がっていました。
渋いしみったれたおじさん役の曽世さんも良かったです

ところで,タイトルの「トリスケリオン」は「三脚巴」とも呼ばれる文様で,
今ですと,いだてんのタイトルバックに使われていますね。
3本の脚が風車のように一つになっている文様。
「マン島やシチリアで使われている」とセリフに出てきて
「シチリア?!」と。
今月シチリアに行くので,ナイスタイミングです。
トリスケリオン,探してこようと思います(*゚▽゚)ノ

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