定期的に開催されている,ライフの朗読イベントに行ってきました~。
2日で4作品聴いてきました。
「リラの女たち(林芙美子)」@青木隆敏
カフェで働く女給たちの物語。
青木さんは一人芝居さながら,複数の女たちを演じ分けます。
雪降る街並みや,レトロな銀座の絵が浮かびます。
青木さんは,本を見ずに語る場面も多かったのですが,
完全に見ないわけでもないので,
微妙な間ができちゃうこともありました。
楽譜もそうなんですが,一度視線を外すと,
もう一度楽譜に目を戻した時,どこを歌っているか分からなくなって
めっちゃ焦るんですよね~。
伴奏は進んでるし。
なので,見るならずっと見る,見ないなら全く見ない,
がベストかなぁと。
あと,朗読だからか,イントネーションの微妙な違いが気になっちゃいました。
植物の「柳」を「や」にアクセント置いてたり,
「琴を飼っている」と聞こえて,
「ことを,かう?こととは琴ではないのか?買っているということ?
ことという動物…は文脈からして違う…」と
色々考えちゃいました(^^;
イントネーション,大事。
座ったままではあるものの,前かがみになったりと動きが多く,
そうすると照明が当たらなくて顔が真っ暗になっちゃうのも
勿体ないなーと思いました。
あと,照明操作が若干もたついていたような…?
「絵姿 The Portrait of Dorian Gray(渡辺温)」@笠原浩夫
オスカー・ワイルドのドリアングレイの肖像を,ギュッと短編にした作品。
ライフでも上演しましたね。
年を重ねても,どんなに悪事を働いても,
美貌が全く衰えないドリアンと,ドリアンの肖像画に隠された秘密。
笠原さんの迫力あるリーディングに,ハラハラしました。
絢爛豪華な邸宅や,怪しい夜の街が目に浮かびます。
ドリアンに捨てられて,命を絶つシヴィルの名前が,
舞台では「シヴィル・ヴェイン」だった記憶があったのですが,
朗読では「シヴィル・ベン」と聞こえて,???と思って調べたところ,
「シヴィル・ヴェン」となってました。
元は「Sibyl Vane」なのかな。
「ヴェン」は昭和らしい訳ですね。
「三の酉(久保田万太郎)」@曽世海司
基本的に,おさわと,僕の2人で進む物語。
東海道線から見える海や,よく煮込んだおでんが浮かびます。
独特の言い回しを,さらりと読む曽世さん,さすがです。
落語でやるように,
僕の時は下手を見て,おさわの時は上手を見て,
という感じで少し動きがあるのですが,
途中で,おさわの時は膝を閉じて,
僕の時は膝を開いていることに気付いて,
さすが!女役に慣れてらっしゃる!と(笑)
ちょっと哀しい結末が,また曽世さんの雰囲気にピッタリでした。
「イワンとイワンの兄(渡辺温)」@倉本徹
おバカなイワンと,そんなイワンの面倒を見る兄とのお話。
お金持ちの父が,今際の際に
「お前にどれだけ金貨を残しても全部人に上げてしまうだろう。
代わりにお前にはこの箱をやろう。
この中にはお前の行末をしまっておいた。
どうにもならなくなったら,この箱を開けなさい」
と,銀の箱を渡し,箱の鍵は肌身離さず持っておくよう言い含めて
この世を去ります。
箱が気になって仕方ない兄は,毎晩,金貨と鍵を交換しよう,と持ちかけ
イワンは毎度断りますが,兄が一目ぼれした娘を妻にしようと,
家に連れてきて,事態は一変します。
イワンは幸せに暮らしました…のところで一度台本を閉じ,
あ,終わり?と思わせてからの
「兄はどうなったのか…」と再度語り始めるのですが,
ちょっとドラマチックで良かったです。
倉本さんにピッタリの作品。
今回も,楽しませていただきました~♪