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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

最近購入したCD(その21)。

2010-11-06 06:47:41 | 音楽ネタ
 ザ・ビートルズのディスクを買ってみた。実は、私はビートルズのレコード及びCDを購入するのは初めてである。私はいわゆるビートルズ世代には属していない。ポップスやロックに興味を持ちだしたのは70年代半ばだが、その頃ビートルズはとうの昔に解散していた。

 もちろん、ビートルズにハマっていた奴は周囲にけっこういて(もちろん、リアルタイムではなくグループ解散後に彼らの楽曲を好きになった連中だ)、私もそいつらから無理矢理に(笑)聴かされたクチなのだが、現在進行形のサウンドを追うのに手一杯だった私に、そんな“過去のバンド”を振り返る余裕はなかった。それだけ当時のミュージック・シーンは面白すぎたのだ。



 さて、ニルヴァーナの登場に始まった激動の90年代が終わり、21世紀に入ってロック・シーンに目立った大きなムーヴメントも見当たらない現在、やっと昔の音源をチェックする気になってきた。以前のアーティクルでも古いロックのCDについて述べたが、今回なぜビートルズかというと、去年(2009年)から最新リマスターによるディスクが出回り始めたからだ。購入したのは「ザ・ビートルズ 1962~1966」(通称:赤盤)と「ザ・ビートルズ 1967~1970」(通称:青盤)の2枚のベスト盤である。昔からのファンならば全てオリジナル・アルバムで揃えるところだろうが、それほどの思い入れのない私にとってはベスト盤で十分だ。



 楽曲自体はお馴染みのものばかりなので、特段コメントする必要もない。印象的なのは、音質の方である。あらためて聴いてみると、マスタリングの重要性というものを痛感する。従来の音源とは明らかに違うのだ。楽器の定位がまるで異なっている。音像自体も鮮明だ。それだけ当時のメンバーが、どういう姿勢でレコーディングに臨んだのかを垣間見ることが出来る。

 たまたまビートルズという超メジャーなバンドであるからこそ、こういう念の入ったマスタリングが可能だったと思うが、古い録音でも手を加えれば現在に通じるアピール度とセールスを実現させることを証明した好例であろう。今後は別の往年の有名ミュージシャン達の音源も掘り起こして欲しいものだ。

 クラシックの旧盤も一枚紹介したい。テレマンのパリ四重奏曲集(第一番~第六番)である。演奏は寺神戸亮のヴァイオリンと上村かおりのヴィオール、クリストフ・ルセのチェンバロ、そして有田正広のフルートによるアンサンブルだ。使われているのは通常の楽器ではなく、すべて作曲当時のものを再現したオリジナル楽器である。92年録音。



 発売当初は「レコード芸術」誌の特選にエントリーされた有名盤だが、私は聴くのは初めてだ。どうして今回買う気になったのかというと、この頃のDENONレーベルの作品群が廉価盤として再発されたからである。しかも、CDの高音質規格の一つである「Blu-SPEC CD」仕様だ。前にも紹介したようにこの仕様はSONYの考案だが、昔はデジタル録音方式でのライバル関係にあったDENON(日本コロムビア)とSONYのテクノロジーがこういう形で手を結ぶとは、実に意外である。

 内容については、素晴らしいの一言である。テレマンという作曲家はバッハやヴィヴァルディといった他のバロック時代のコンポーザーに比べれば地味な印象があるが、この演奏はテレマンが稀代のメロディ・メーカーであることを見事に立証している。録音も文句の付けようがない。横方向と奥行きの音場は広大で、音像はどこまでも滑らかだ。同じ演奏者によるハンブルグ版の「6つの四重奏曲」という本作の続編みたいなディスクもあるが、機会があればそれも聴いてみたい。
コメント
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