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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「凶気の桜」

2010-11-30 06:27:22 | 映画の感想(か行)
 2002年作品。窪塚洋介が右翼かぶれのチンピラを演じる活劇編だが、内容はまったく感心しない。ナショナリスト気取りの主人公(窪塚)は、仲間と共にネオ・トージョーなるグループを結成。渋谷の街にたむろする不良少年達を排除するべく、日夜暴力行為に明け暮れている。ただしそれは彼ら独自でやっている行為ではなく、バックに暴力団が付いているという事実が紹介された時点で、ドラマの底が割れてしまう。

 何より薗田賢次とかいうプロモーション・ビデオ出身の新米監督の趣味が最低だ。目が疲れるだけの無神経な細切れのカット割りと自己満足のアート風映像は開巻5分間で飽きてくる。そしてこれが中盤近くなっても継続し、その頃にはとうに鑑賞意欲も失せている。

 こんな奴にマトモなドラマが作れるはずもなく、窪塚扮する頭の悪いガキとその仲間のチャラチャラした“憂国ごっこ”を延々と垂れ流したあと、それにいきなり古臭い東映任侠路線風の予定調和な展開を漫然と接合させるという、ストーリーの一貫性など眼中にないような脳天気ぶりには脱力するしかない。

 こんなシャシンに付き合わされて、原田芳雄や本田博太郎といったベテラン陣もさぞや不本意だったろう。大嫌いなラップ主体の音楽も勘弁して欲しい。
コメント
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