goo blog サービス終了のお知らせ 

元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「義姉さんの濡れた太もも」

2010-11-26 06:50:09 | 映画の感想(な行)
 2001年多呂プロ製作オーピー映画配給のピンク映画である。気ままに生きる女流AV監督のヒロイン(時任歩)は最近やけにリアルな夢を見る。夢の中では彼女は温泉旅館を切り盛りする未亡人で、亡き夫の弟に淡い気持ちを抱いている。ところが、夢の中の彼女も“最近、妙な夢を見る。夢の中では自分は無軌道な女で、怪しげなビデオを撮っている”と言うのだ。果たして現実はどちらなのか。監督はピンク映画界の異能の一人、荒木太郎。

 荒木監督の作風は独特だ。ソフトフォーカスや逆光を活かした柔らかい画調、手書きのクレジット、劇中劇(8ミリフィルム、ビデオ、サイレント等)の多用etc.そしてそれらマニアックな手法を用いながらも、作品としてはエンタテインメントの路線を踏み外さない。

 この作品も一見“パラレルワールド”みたいなSF風ネタを扱いながらも、ケレンや気負いは皆無。絶妙なオチも含めて、終わってみれば良質の艶笑喜劇のような好印象を残す。ファンタスティックな味わいは大林宣彦の監督作を思わせるが、脚本担当の内藤忠司は大林作品の助監督であり、「さびしんぼう」のシナリオも手掛けているから、それも当然かもしれない。

 荒木監督も是非とも一般映画に進出してほしい人材だ。主演の時任歩(現:時任亜弓)は美人で品があって演技も上手く、しかもエッチ(笑)。好きな女優の一人だが、最近あまり見かけないのが残念だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする