91年作品。「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」に続く鈴木清順監督の“浪漫三部作”の追尾を飾るという作品だが、いまいち物足りない出来である。
大正時代、金沢で駆け落ちを約束した恋人を待つ竹久夢二は、隣りの村で妻と妻の愛人を殺した男が山へ逃げたという噂を聞きつける。それはさしおいて、くだんの恋人はとうとう現れない。アーティストとしての行き詰まりにも悩まされていた彼は、湖畔で人妻に出会う。
例の殺人犯が殺した男の妻だと名乗る彼女は、夫の遺体が湖から上がるのを待っているのだという。彼女と逢瀬を重ねる夢二だが・・・・といった筋書きにあまり意味はない。いつもの無手勝流の“清順ワールド”が続くだけだ。
何より通常場面と幻想場面の境目がハッキリし過ぎており、作劇の底が見えてしまうのは痛い。その幻想場面にしても、他の二作と比べるとイメージの広がりに欠ける。主演の沢田研二はまあいいとして、女優陣が弱体気味なのは痛い。
大正時代、金沢で駆け落ちを約束した恋人を待つ竹久夢二は、隣りの村で妻と妻の愛人を殺した男が山へ逃げたという噂を聞きつける。それはさしおいて、くだんの恋人はとうとう現れない。アーティストとしての行き詰まりにも悩まされていた彼は、湖畔で人妻に出会う。
例の殺人犯が殺した男の妻だと名乗る彼女は、夫の遺体が湖から上がるのを待っているのだという。彼女と逢瀬を重ねる夢二だが・・・・といった筋書きにあまり意味はない。いつもの無手勝流の“清順ワールド”が続くだけだ。
何より通常場面と幻想場面の境目がハッキリし過ぎており、作劇の底が見えてしまうのは痛い。その幻想場面にしても、他の二作と比べるとイメージの広がりに欠ける。主演の沢田研二はまあいいとして、女優陣が弱体気味なのは痛い。