(原題:THE BIKERIDERS)けっこう巷では評判は良いようで、だからチェックしてみたのだが、どうも気勢が上がらない。そもそも、本作の題材であるバイク乗りの行状に関しては個人的にまったく興味を覚えない。よっぽど話が面白くなければ、持ち上げる気にはなれないのだ。そういえば、私は自動二輪車等の免許は持っていないし、取得したいと思ったことも無い。バイクの後部座席に乗せてもらったことも、1回しかないという始末。だから本作に関しては、観る前から門外漢だったという低調な展開なのである。
1965年のシカゴ。堅実な生活を送っていた若い女キャシーは、ある日ケンカ早くて無口なバイクライダーのベニーと知り合い、アッという間に恋に落ちて結婚を決める。ベニーは地元の不良共の元締めであるジョニーの片腕だが、一匹狼的なスタンスを崩さない孤高の存在だった。やがてジョニーの組織は各地に支部が出来るほど急速に拡大していくが、それと平行してクラブ内の雰囲気は悪化。犯罪に手を染める者が目立つようになり、敵対クラブとの抗争も始まってしまう。アメリカの写真家ダニー・ライアンが60年代のバイクライダーの日常を題材にした同名の写真集にインスパイアされた作品だという。
まあ、無頼派バイク乗りに思い入れのある向きには、ベニーがバーのカウンターなんかでカッコ付けているだけで、あるいはジョニーがバイカー達のリーダーとしての苦悩をにじみ出しているだけで感動してしまうのだろう。そしてそういう空気にホレ込んでしまうキャシーの内面も、リアルに伝わってくるのだと想像する。だが、そういう事物とは無縁の当方としては、居心地の悪さを感じるしかない。
だいたい、集団でバイクを転がして反社会分子を標榜している時点で、彼らがその後どういう犯罪騒ぎに巻き込まれようが、一向にカタルシスを覚えることは無いのだ。勝手にやってろと言うしかない。脚本も担当したジェフ・ニコルズの演出は、まさに“分かる奴だけ分かれば良い”という姿勢で、ひたすら自己の趣味に浸るばかりのようだ。
ベニー役のオースティン・バトラーのパフォーマンスは、時折乱暴にはなるが、あとは表情乏しく佇んでいるだけだ。ジョニーに扮するトム・ハーディも“地でやっている”という感じを否めない。キャシーを演じるジョディ・カマーに関しては単なる狂言回し役であるせいか、特筆すべきもの無し。ただ、アダム・ストーンのカメラによる時代色がよく出た映像だけは評価したい。
1965年のシカゴ。堅実な生活を送っていた若い女キャシーは、ある日ケンカ早くて無口なバイクライダーのベニーと知り合い、アッという間に恋に落ちて結婚を決める。ベニーは地元の不良共の元締めであるジョニーの片腕だが、一匹狼的なスタンスを崩さない孤高の存在だった。やがてジョニーの組織は各地に支部が出来るほど急速に拡大していくが、それと平行してクラブ内の雰囲気は悪化。犯罪に手を染める者が目立つようになり、敵対クラブとの抗争も始まってしまう。アメリカの写真家ダニー・ライアンが60年代のバイクライダーの日常を題材にした同名の写真集にインスパイアされた作品だという。
まあ、無頼派バイク乗りに思い入れのある向きには、ベニーがバーのカウンターなんかでカッコ付けているだけで、あるいはジョニーがバイカー達のリーダーとしての苦悩をにじみ出しているだけで感動してしまうのだろう。そしてそういう空気にホレ込んでしまうキャシーの内面も、リアルに伝わってくるのだと想像する。だが、そういう事物とは無縁の当方としては、居心地の悪さを感じるしかない。
だいたい、集団でバイクを転がして反社会分子を標榜している時点で、彼らがその後どういう犯罪騒ぎに巻き込まれようが、一向にカタルシスを覚えることは無いのだ。勝手にやってろと言うしかない。脚本も担当したジェフ・ニコルズの演出は、まさに“分かる奴だけ分かれば良い”という姿勢で、ひたすら自己の趣味に浸るばかりのようだ。
ベニー役のオースティン・バトラーのパフォーマンスは、時折乱暴にはなるが、あとは表情乏しく佇んでいるだけだ。ジョニーに扮するトム・ハーディも“地でやっている”という感じを否めない。キャシーを演じるジョディ・カマーに関しては単なる狂言回し役であるせいか、特筆すべきもの無し。ただ、アダム・ストーンのカメラによる時代色がよく出た映像だけは評価したい。