2000年作品。沖浦啓之が監督した「人狼 JIN-ROU」と同じく押井守がらみのアニメーション映画だが、「人狼 JIN-ROU」よりは面白い。1966年、横田基地内のアメリカンスクールに転校してきた少女。彼女は人間社会に紛れ込んだヴァンパイアを倒すべく“組織”から派遣されたエージェントだったという内容。
短い上映時間は見せ場を連続させないとサマにならないこともあり、退屈するヒマもなく見ていられる。全編にわたるデジタル処理。2Dのキャラクターと立体的な背景が実にうまくマッチングしていて、技術的には観るべき点も多い。
しかし、48分間では各キャラクターのバックグラウンドまで描ききることはできず、何やら舞台設定が凡庸になってしまったのは減点。アメリカンスクールの女性保健医が「鬱陶しいだけの女」になっているのはもとより、なぜ昭和41年なのか、なぜ横田基地なのか、その説明がスッポリ抜け落ちている。
まさか主人公の死闘と、ベトナム戦争とを“暴力としては同じもの”として対比させようとしたのではないだろうか。だとすると、ずいぶん安易で図式的な処理である。なお、クエンティン・タランティーノが同作を気に入り「キル・ビル」のアニメーションパートを製作元のProduction I.Gに依頼したのは有名な話である。
短い上映時間は見せ場を連続させないとサマにならないこともあり、退屈するヒマもなく見ていられる。全編にわたるデジタル処理。2Dのキャラクターと立体的な背景が実にうまくマッチングしていて、技術的には観るべき点も多い。
しかし、48分間では各キャラクターのバックグラウンドまで描ききることはできず、何やら舞台設定が凡庸になってしまったのは減点。アメリカンスクールの女性保健医が「鬱陶しいだけの女」になっているのはもとより、なぜ昭和41年なのか、なぜ横田基地なのか、その説明がスッポリ抜け落ちている。
まさか主人公の死闘と、ベトナム戦争とを“暴力としては同じもの”として対比させようとしたのではないだろうか。だとすると、ずいぶん安易で図式的な処理である。なお、クエンティン・タランティーノが同作を気に入り「キル・ビル」のアニメーションパートを製作元のProduction I.Gに依頼したのは有名な話である。



