(原題:CARRY-ON)2024年12月よりNetflixから配信されたサスペンス編。これは楽しめた。劇場公開しても良いほどのレベルだ。舞台設定とキャラクターの扱いは、レニー・ハーリン監督の「ダイ・ハード2」(90年)との共通性を見出す向きも多いだろう。ただし、本作の筋書きはよりアップ・トゥ・デイトであり、主人公の造型も等身大に近付いている。それだけ訴求力が大きい。
ロスアンジェルス国際空港の運輸保安局員として勤務しているイーサン・コーペックは、実はかつて警察官を目指していた。しかし微妙な理由で採用されず、今は冴えない日々を送るのみだ。そんな中、クリスマスイヴに手荷物検査係に回された彼は、謎の男から脅迫を受ける。首都ワシントン行きの機内に持ち込まれる予定の危険物を見逃さないと、同じ空港に勤める妊娠中の恋人ノラの命は無いというのだ。イーサンは事態を打開すべく、テロリストとの戦いに身を投じる。
イーサンは「ダイ・ハード2」の主人公ジョン・マクレーン刑事よりも、さらに非力だ。もっともマクレーンもそんなに敏腕というわけではないが、前作で大きなヤマを解決した実績があり、警部補という階級も保持している。対してこのイーサンはしがない空港職員で、腕っ節も強くない。そんな“一般人”が巨悪に立ち向かうハメになるというのは、アピール度が高い。
そして、テロリスト側の思惑も捻っていて、単に危険物を仕掛けるだけではなく、この事件が起こったらどこが疑われて結果的にどうなるといった複雑な計算もカバーしている。また、運び屋と調整役が別々のスタンスで動いているあたりは上手い処理で、事件発生に気付いた女性刑事が外部からフォローするというサブ・プロットも的確だ。ジャウム・コレット=セラの演出は前作「ブラックアダム」(2022年)よりもさらにレベルが上がったようで、弛緩した部分が見受けられず、最後までドラマを引っ張ってくれる。
アクション場面は予算はさほど投入されてはいないが、アイデアが豊富で飽きさせない。特に手荷物集積場での格闘シーンは、先の読めない展開もあってかなり盛り上がる。主演のタロン・エガートンは“普通の男”を懸命に演じ、「キングスマン」シリーズ出演時よりも成長が認められる。ソフィア・カーソンにダニエル・デッドワイラー、ジェイソン・ベイトマン、テオ・ロッシなどの他のキャストも申し分ない。
ロスアンジェルス国際空港の運輸保安局員として勤務しているイーサン・コーペックは、実はかつて警察官を目指していた。しかし微妙な理由で採用されず、今は冴えない日々を送るのみだ。そんな中、クリスマスイヴに手荷物検査係に回された彼は、謎の男から脅迫を受ける。首都ワシントン行きの機内に持ち込まれる予定の危険物を見逃さないと、同じ空港に勤める妊娠中の恋人ノラの命は無いというのだ。イーサンは事態を打開すべく、テロリストとの戦いに身を投じる。
イーサンは「ダイ・ハード2」の主人公ジョン・マクレーン刑事よりも、さらに非力だ。もっともマクレーンもそんなに敏腕というわけではないが、前作で大きなヤマを解決した実績があり、警部補という階級も保持している。対してこのイーサンはしがない空港職員で、腕っ節も強くない。そんな“一般人”が巨悪に立ち向かうハメになるというのは、アピール度が高い。
そして、テロリスト側の思惑も捻っていて、単に危険物を仕掛けるだけではなく、この事件が起こったらどこが疑われて結果的にどうなるといった複雑な計算もカバーしている。また、運び屋と調整役が別々のスタンスで動いているあたりは上手い処理で、事件発生に気付いた女性刑事が外部からフォローするというサブ・プロットも的確だ。ジャウム・コレット=セラの演出は前作「ブラックアダム」(2022年)よりもさらにレベルが上がったようで、弛緩した部分が見受けられず、最後までドラマを引っ張ってくれる。
アクション場面は予算はさほど投入されてはいないが、アイデアが豊富で飽きさせない。特に手荷物集積場での格闘シーンは、先の読めない展開もあってかなり盛り上がる。主演のタロン・エガートンは“普通の男”を懸命に演じ、「キングスマン」シリーズ出演時よりも成長が認められる。ソフィア・カーソンにダニエル・デッドワイラー、ジェイソン・ベイトマン、テオ・ロッシなどの他のキャストも申し分ない。