(原題:維和防暴隊 FORMED POLICE UNIT)以前観た「ボーン・トゥ・フライ」(2023年)と同様、中国の国威発揚映画ということは分かる。ただ、それを別にしても良く出来た戦争アクション編であることは確かで、鑑賞後の満足度は決して低いものではない。各キャストは健闘しているし、何より設定自体が興味深い。本国で大ヒットしたというのも頷ける。
国連は中国に、主要加盟国の平和活動ミッションとして組織警察隊(FPU)の出動を要請する。派遣先は、政府軍と反政府組織の武力紛争が激化するアフリカ某国だ。分隊長ユー率いる部隊は、その中でも最もヤバい地域を担当することになる。テロの首謀者は逮捕はされているが、裁判はまだ開かれていない。この部隊の任務は、重要な証言をする予定の政治活動家とその妻子を、公判までに無事に裁判所に送り届けることだ。当然のことながらテログループは証人を抹殺するため、その道中に大挙して襲ってくる。中国FPUは、限られた人員で決死の突破を試みる。
あくまで治安維持のための警察官に過ぎない主人公たちが、成り行きとはいえ反政府軍と本格的な交戦状態に入るというのは無理がある。また、この地域を仕切る某西欧国の司令官が絵に描いたような事なかれ主義である点も、いかにも図式的だ。しかし、このような瑕疵をあまり感じさせないほどのパワーが本作にはある。
前半の、敵スナイパーを追跡するシークエンスの、まるでパルクールのような離れ業の連続に唸っていると、次には大規模なカーチェイス場面も控えている。いったいどこから現われるのかと思えるほど、完全武装した敵が次から次に主人公たちを襲い、無事に証人たちを時間通りに送り届けることが出来るのかというサスペンスも盛り上がる。ユー隊長とチームの狙撃担当のヤンとの間には個人的な確執があり、その設定が後半に活かされる配慮も申し分ない。
監督は武術監督出身のリー・タッチウだが、「インファナル・アフェア」シリーズの監督アンドリュー・ラウが製作総指揮に名を連ねていることが大きいだろう。ユーに扮するホアン・ジンユーとヤン役のワン・イーボーは、面構えと身のこなし共に合格点。それから、部隊の紅一点を演じるエレイン・チョンはとても美人だ。
繰り返すが、この映画は中国当局のPR目的という側面が大きく、そのあたりに納得出来ない観客も少なくないだろう。だが、実際に中国のFPUは各地に派遣されて実績をあげているようで、映画化して悪いわけではない。日本でも自衛隊のPKOを題材にした映画が作られても良いと思ったほどだ。
国連は中国に、主要加盟国の平和活動ミッションとして組織警察隊(FPU)の出動を要請する。派遣先は、政府軍と反政府組織の武力紛争が激化するアフリカ某国だ。分隊長ユー率いる部隊は、その中でも最もヤバい地域を担当することになる。テロの首謀者は逮捕はされているが、裁判はまだ開かれていない。この部隊の任務は、重要な証言をする予定の政治活動家とその妻子を、公判までに無事に裁判所に送り届けることだ。当然のことながらテログループは証人を抹殺するため、その道中に大挙して襲ってくる。中国FPUは、限られた人員で決死の突破を試みる。
あくまで治安維持のための警察官に過ぎない主人公たちが、成り行きとはいえ反政府軍と本格的な交戦状態に入るというのは無理がある。また、この地域を仕切る某西欧国の司令官が絵に描いたような事なかれ主義である点も、いかにも図式的だ。しかし、このような瑕疵をあまり感じさせないほどのパワーが本作にはある。
前半の、敵スナイパーを追跡するシークエンスの、まるでパルクールのような離れ業の連続に唸っていると、次には大規模なカーチェイス場面も控えている。いったいどこから現われるのかと思えるほど、完全武装した敵が次から次に主人公たちを襲い、無事に証人たちを時間通りに送り届けることが出来るのかというサスペンスも盛り上がる。ユー隊長とチームの狙撃担当のヤンとの間には個人的な確執があり、その設定が後半に活かされる配慮も申し分ない。
監督は武術監督出身のリー・タッチウだが、「インファナル・アフェア」シリーズの監督アンドリュー・ラウが製作総指揮に名を連ねていることが大きいだろう。ユーに扮するホアン・ジンユーとヤン役のワン・イーボーは、面構えと身のこなし共に合格点。それから、部隊の紅一点を演じるエレイン・チョンはとても美人だ。
繰り返すが、この映画は中国当局のPR目的という側面が大きく、そのあたりに納得出来ない観客も少なくないだろう。だが、実際に中国のFPUは各地に派遣されて実績をあげているようで、映画化して悪いわけではない。日本でも自衛隊のPKOを題材にした映画が作られても良いと思ったほどだ。