1963年のフランス映画「鬼火」。
アラン(モーリス・ロネ)はアルコール依存症のため入院している。彼は死に取り憑かれて
いた。鏡には7月23日と、自分が死ぬ日を書いている。
アランは医者から完治しているので退院するように言われるが、不安でなかなか退院する
気になれない。自分は治ってはいない、退院したらまた飲んでしまうと思っているのだ。
アランはアメリカ人女性と結婚しているが、妻はニューヨークに行ってしまい、連絡も
ほとんどない。そしてアランには愛人もいる。
アランはパリに出て、旧友を訪問する。
暗く静かな映画だ。昔観たことがあるのだがまた観れて嬉しい。アランは大人になれない
男である。理想を追い求め、自由気ままに生きようとする。旧友が子供を持ち、平穏な
家庭を営んでいることを侮蔑する。アランは常に葛藤している。その心理状態の表現の
うまさは、さすがフランス映画と思ってしまう。
モーリス・ロネの神経質そうな表情も、アランという人間をよく表していて、惹かれる。
全編に漂う退廃的な雰囲気が良く、特に音楽が秀逸だ。こんなに作品に合った音楽はそう
ないのではないか。
ところでアランが入院している病院には驚いた。まるでホテルみたいだ。患者たちは個室
にいるのだが、とてもじゃないが病室には見えない。きれいな部屋のデザイン、きれいな
家具、きれいなインテリア。食事の時は食堂で皆で食べるのだが、その食堂がまたきれい。
お金持ちの家のリビングルームみたいだ。
ここは普通の病院と違って、アルコール依存症患者のための個人の療養所といった感じ
なのでこのような設備になっているのだろうが、フランスには今でもこんな施設があるの
だろうか。住みたくなるような個室だった。
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アラン(モーリス・ロネ)はアルコール依存症のため入院している。彼は死に取り憑かれて
いた。鏡には7月23日と、自分が死ぬ日を書いている。
アランは医者から完治しているので退院するように言われるが、不安でなかなか退院する
気になれない。自分は治ってはいない、退院したらまた飲んでしまうと思っているのだ。
アランはアメリカ人女性と結婚しているが、妻はニューヨークに行ってしまい、連絡も
ほとんどない。そしてアランには愛人もいる。
アランはパリに出て、旧友を訪問する。
暗く静かな映画だ。昔観たことがあるのだがまた観れて嬉しい。アランは大人になれない
男である。理想を追い求め、自由気ままに生きようとする。旧友が子供を持ち、平穏な
家庭を営んでいることを侮蔑する。アランは常に葛藤している。その心理状態の表現の
うまさは、さすがフランス映画と思ってしまう。
モーリス・ロネの神経質そうな表情も、アランという人間をよく表していて、惹かれる。
全編に漂う退廃的な雰囲気が良く、特に音楽が秀逸だ。こんなに作品に合った音楽はそう
ないのではないか。
ところでアランが入院している病院には驚いた。まるでホテルみたいだ。患者たちは個室
にいるのだが、とてもじゃないが病室には見えない。きれいな部屋のデザイン、きれいな
家具、きれいなインテリア。食事の時は食堂で皆で食べるのだが、その食堂がまたきれい。
お金持ちの家のリビングルームみたいだ。
ここは普通の病院と違って、アルコール依存症患者のための個人の療養所といった感じ
なのでこのような設備になっているのだろうが、フランスには今でもこんな施設があるの
だろうか。住みたくなるような個室だった。
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