2017年の日本映画「花戦さ」。
京都・頂法寺六角堂の花僧・池坊専好(野村萬斎)は生け花の名手で、天下統一を目
指す織田信長(中井貴一)の前で花を生け、居合わせた千利休(佐藤浩市)らの心をつ
かむ。思わぬ失態から信長の怒りを買ってしまい打ち首になりかけるが、豊臣秀吉
(市川猿之助)が機転を利かせ彼の危機を救った。それから10数年が経ち、秀吉は世
を治め、専好と利休は親友として互いの道を高め合っていった。やがて天下人・秀
吉の驕りが目につくようになり、利休を切腹に処し、専好を慕う町人たちの命を次
々に奪うようになる。見かねた専好は立ち上がり、花を用いて太閤秀吉に一世一代
の戦さを仕掛ける。
時代物の映画だが、侍のチャンバラ劇ではない。ユーモラスでほのぼのとした、で
もシリアスなシーンもある人間ドラマだ。実際の池坊専好がこういう人であったか
どうかはわからないが、変人である専好を野村萬斎がひょうひょうと演じ、感動的
な映画に仕上がっていると思った。専好は普通の花だけでなく、松の木を使った立
花を得意としているのだが、ああいうものは初めて見た。とてもダイナミックだ。
その立花の腕で千利休をも感動させる。専好と利休は親しくなるが、豊臣秀吉は利
休の町人たちからの人気を快く思わなくなっていく。
秀吉という人はやっぱり頭がおかしかったのではないだろうか。賢かったようだが
それはそれとして。異常者じゃないの、と思うエピソードがこの人にはたくさんあ
る。市川猿之助が秀吉に合っていたかはよくわからないが、とにかく野村萬斎と佐
藤浩市が良かった。2人ともアカデミー賞ものの演技である。野村萬斎はこういう
個性的な変人の役がよく似合う。ただ、口が利けないふりをしていて絵がうまい少
女が登場するが、この人は必要だったのかな、と思った。私としてはいなくても良
かったような。
華道のことも茶道のことも何も知らなくても、おもしろく観られる映画だと思う。
「刀ではなく、花で戦いを挑む」この物語、とても感動的で、私は涙が出そうにな
った。チャンバラ劇も好きだがこの映画も大好きだ。
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京都・頂法寺六角堂の花僧・池坊専好(野村萬斎)は生け花の名手で、天下統一を目
指す織田信長(中井貴一)の前で花を生け、居合わせた千利休(佐藤浩市)らの心をつ
かむ。思わぬ失態から信長の怒りを買ってしまい打ち首になりかけるが、豊臣秀吉
(市川猿之助)が機転を利かせ彼の危機を救った。それから10数年が経ち、秀吉は世
を治め、専好と利休は親友として互いの道を高め合っていった。やがて天下人・秀
吉の驕りが目につくようになり、利休を切腹に処し、専好を慕う町人たちの命を次
々に奪うようになる。見かねた専好は立ち上がり、花を用いて太閤秀吉に一世一代
の戦さを仕掛ける。
時代物の映画だが、侍のチャンバラ劇ではない。ユーモラスでほのぼのとした、で
もシリアスなシーンもある人間ドラマだ。実際の池坊専好がこういう人であったか
どうかはわからないが、変人である専好を野村萬斎がひょうひょうと演じ、感動的
な映画に仕上がっていると思った。専好は普通の花だけでなく、松の木を使った立
花を得意としているのだが、ああいうものは初めて見た。とてもダイナミックだ。
その立花の腕で千利休をも感動させる。専好と利休は親しくなるが、豊臣秀吉は利
休の町人たちからの人気を快く思わなくなっていく。
秀吉という人はやっぱり頭がおかしかったのではないだろうか。賢かったようだが
それはそれとして。異常者じゃないの、と思うエピソードがこの人にはたくさんあ
る。市川猿之助が秀吉に合っていたかはよくわからないが、とにかく野村萬斎と佐
藤浩市が良かった。2人ともアカデミー賞ものの演技である。野村萬斎はこういう
個性的な変人の役がよく似合う。ただ、口が利けないふりをしていて絵がうまい少
女が登場するが、この人は必要だったのかな、と思った。私としてはいなくても良
かったような。
華道のことも茶道のことも何も知らなくても、おもしろく観られる映画だと思う。
「刀ではなく、花で戦いを挑む」この物語、とても感動的で、私は涙が出そうにな
った。チャンバラ劇も好きだがこの映画も大好きだ。
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