猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

カルマ

2018-02-10 22:37:47 | 日記
2002年の香港映画「カルマ」。

1人暮らしの若い女性ヤン(カリーナ・ラム)は、今のアパートに越してきて以来、
怪奇現象に悩まされていた。情緒不安定に陥った彼女は、いとこの紹介で精神科
医のジム(レスリー・チャン)にカウンセリングを受け始めた。超常現象を一切認
めないジムは、ヤンの経験を単なる想像の産物だと思っていた。やがてジムの親
身な治療のおかげでヤンは次第に回復していき、2人には恋愛感情が芽生える。
しかし、今度はジムの身の回りで異変が起き始める。

香港のオカルト・ホラー映画で、レスリー・チャンの遺作である。超常現象は人
間の想像の産物だと信じている精神科医のジム。ジムの友人の医師が、彼の妻の
いとこを診てやって欲しいと頼みにくる。その女性はアパートの怪奇現象により
精神不安定になっているのだと言う。彼女を診察したジムは簡単に治ると判断す
る。カウンセリングに通ううちにヤンは少しずつ元気を取り戻していき、やがて
2人は恋愛関係になる。ところが今度はジムの周辺で異変が起きるようになる。
ヤンのアパートの大家さんのエピソードは怖かった。大家のおじさん、もう大丈
夫だからと言いながら全然立ち直っていないではないか。ゾッとした。超常現象
を信じない精神科医が、おかしな出来事に悩まされるようになっていく。ジムと
ヤンとジムの友人とその妻と食事をしていた時、見知らぬ老夫婦がジムを見つけ
て店内に入ってきて、「まだ生きていたのか」「絶対許さない」と言ってジムを
攻撃するシーンはびっくりした。ジムには全く心当たりがなく、皆「人違いだ」
と言ってくれたが、その頃からジムには夢遊病のような症状が現れ、今度はヤン
がジムを支えるようになる。
「カルマ」とは業のことである。ジムは何か業を背負っているのか?それは何な
のか?「リング」や「呪怨」といったジャパニーズ・ホラーの影響をかなり受け
ているなと思った。だが女子中学生の霊はあまりにも奇抜で、やりすぎだ。逆に
あまり怖くなくなってしまっている。もっとおどろおどろしい感じで現れれば良
かったのに。
この映画が作られた翌年、2003年の4月にレスリー・チャンは亡くなった。香港
でのお葬式に日本のファンもたくさん訪れていた。私も行きたかった。映画が公
開されたミニシアターは満席で、泣いている人もいた。ホラー映画なのに。もっ
と生きて欲しかったなあ、レスリー。もっと映画に出て欲しかった。レスリーを
見たかった。この年、アジアの至宝を失った中華圏は悲しみに包まれた。




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