猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ティエリー・トグルドーの憂鬱

2017-04-07 18:33:17 | 日記
2015年のフランス映画「ティエリー・トグルドーの憂鬱」。
エンジニアとして働いてきた中年のティエリー(ヴァンサン・ランドン)は、集団解雇の
対象となってしまう。ハローワークに通い、エンジニアとしての職は得られなかったが、
ようやくスーパーの警備員として再就職する。それは客だけでなく従業員にまで監視の
目を向けるものだった。ある日、不正を告発された従業員が自殺する。

リストラされた中年男性の苦労を描いたドラマ。フランスの失業率がどのくらいなのか、
日本より多いのかどうか知らないが、再就職の大変さはどこの国でも同じようなものだ
ろう。特に中年以降の人は。ティエリーはせっせとハローワークに通うが、今までと同
じエンジニアの職はなかなか見つからない。フランスのハローワークって面接の練習と
かするんだなあ。しかも集団で、良くないところを指摘し合ったりする。毎日のように
へこむティエリーにとって、心の支えは妻と障害を持った息子だ。家族といる時だけは
気持ちが安らぐ。結局スーパーの警備員という未経験の職に就く。
フランスのスーパーってすごく大きいし、警備員もたくさんいる。警備員は無線で連絡
を取り合っている。広いなりに犯罪も多いのだろう。万引き犯がちょくちょく事務室に
連れてこられる。皆往生際が悪い。ある日スーパーの従業員のおばさんがクーポン券で
不正をして(内容がよくわからないのだが)連れてこられる。1度や2度ではなく、何度も
不正をしていたようで、上司に解雇を言い渡されるが、彼女は必死になって「私は働き
者です」「私が働き者なのは皆が知っています」と言って上司に訴える。しかし結局ク
ビになってしまう。そしてスーパーの中で自殺する。
何も自殺しなくても…と思った。働き者であっても不正をした方が悪い。それなのに自
殺なんかされたら、上司や同僚たちには嫌な感情が残ってしまうだけではないか。私は
このおばさんが気の毒には思えなかった。けれどもティエリーにとってそれは辛い出来
事だったのだ。ティエリーの取った行動は、私は「うーん、どうなのかなあ」と思うけ
れど、ラストシーンは良かった。ティエリーに同意はできないものの、フランス映画ら
しい終わり方は良かった。ヴァンサン・ランドン、年を取ったなあ。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ともちん)
2017-04-07 18:52:22
こんばんは!おフランス映画ですね~♪日本人だと必死には訴えませんね。店で自殺する発想がすごいです( ̄▽ ̄;)
返信する
Unknown (尾崎杏子)
2017-04-08 01:37:55
コメントありがとうございます。そうですね、店で自殺ってあてつけがましいですよね。本人が悪いと思うんですが(ーー;)
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