12月に入りました。寒くなったし暦も残す所一枚となり、気ぜわしさを感じます。
そんな中、先日、芸大で開催中の『尊厳の芸術展』を鑑賞しました。
今から70年前の太平洋戦争中に、日本人移民と日系アメリカ人の約12万人が「アメリカに対して危険を及ぼすのではないか」、と疑われ政府によって強制収容所に送られました。
この収容所は、砂漠の中に作られ風雨が吹き込むなど非常に粗末な住宅だったそうです。
この過酷な環境の中で、がらくたなどの材料で作った椅子、三段引出、つえ、鶴やライオンなどの置物、仏壇、そして地面を掘って拾ってきた貝殻で作られたアクセサリーや日本人形、絵など、沢山の作品が展示されていました。
この作品を拝見して感じたことは、日本人の強い精神力、団結力、我慢強さ、反発する力や、手先の器用さなど、「もの作り日本」の原点を感じ、同時に心の痛みがひしひしと伝わる展覧会でした。
一方、外に目を移せば晩秋の空に紅葉が彩られ、綺麗な風景が広がり平和な日本に感謝です。
が、・・・色々な問題が山積していて日本という国は大丈夫なの?と心もとなくもなります。
12/16日の選挙は、政党が11もあるし、内容を吟味したいのですが、私の頭は混乱しています。
写真は、上野公園の黄葉と紅葉風景です。
手に手に器を持って大勢の方が並んでいました。この風景が今の日本の現状なのですよね。心が寒くなりました。
収容所に送られた日本人移民の方達は、希望の持てない絶望の環境の中で、尊厳を失わずあれだけの作品を作りました。ここに並んでいる方達の尊厳は如何に・・・。