淡路島での3日間

2007年07月23日 | 風の旅人日乗
7月21日、22日は子どもの教育の現場にいる人たちからいろんなことを教わった、いい週末になった。
それも、一段高いところから教育を論ずる人たちではなく、教育の現場でドロドロになって子どもたちと対峙している人たちから教わったので、体に直に響くようにいろんなことが伝わってきた。

ぼくたちチームニシムラのいつもの面々からは、自分たちの専門であるセーリングを、セーリング未体験の教育のプロたちに伝えた。我々のもとでセーリングを体験する人たちと一緒に乗るに当たって、チームニシムラの関係者がいつも頭に置いているテーマは、『海の上を風に乗って自由自在に走る楽しさを伝える』、ということ。難しい技術など最後の最後に伝えればいいし、セーリングの楽しさを知った人は自発的にその技術を一生懸命習得しようとするものだ。

この二日間、風はあまり強くなかったけど、あるかなしかの風をつかんで海をスイスイ走る楽しさを、教育現場のプロフェッショナルたちに伝えることができたと思う。

「まず、自分たち自身、本当に楽しい思い出ができた」
「もっと乗ってたかった」
「セーリングがこんなにエキサイティングで面白いとは知らなかった」
先生たちが自分で舵を持って、まずはプールで練習し、次に海に出てセーリングしたあとの感想の言葉です。

そして、
「子供たちも、絶対に喜ぶと思いますよ!」
と自信を持って保証してくれた。
発達障害に苦しむ子供たちに長く接してきた先生たちの言葉だけに、勇気百倍だ。

今回の、事前研修に来てくれた先生たちとの熱のこもった討論を糧にして、9月の本番までに、これらの先生たちとメールなどで連絡を取り合いながら、本コースの具体的なカリキュラムを決めていこうと思ってる。

セーリング文化を携えて未知の領域に足を踏み出す責任は強く重圧としてかかっている。だけど、ホクレアの航海支援でも、いろんな主張をする人たちとの板ばさみになる立場で緊張の連続に耐えることができたし、今回も頑張って新しい試練に挑戦してみようと思う。

9月の本研修が無事に終わって、こどもたちと笑顔で記念撮影をするために、全力を尽くそう。

夏本番直前の、施設が所有する広くて美しいビーチにいるのは、我々だけだった。なんとも贅沢なことだったけど、今回のセーリングセミナーが起爆剤になって、10年後にこの浜からたくさんのヨットが出て行く光景を見てみたいぞ。

アクアミューズを艇庫に入れ、昼食を食べてからさらに討論会を行い、それからバスに乗って淡路島を北上して明石大橋を渡り、三宮で解散した。
9月も、よろしくお願いします。

新神戸から乗った東京行きのぞみの中で、この週末に学んだことをずっと反芻していた。