箱根・芦ノ湖

2009年12月01日 | 風の旅人日乗
救助犬訓練士協会という団体がある。
今年の夏、箱根の芦ノ湖で、水難救助訓練にアドバイスさせて頂くという仕事の繋がりで、御縁ができた。

一昨日の日曜日、その団体が主催する救助犬資格試験の様子を見学させてもらいに、箱根湯本の、閉校になった中学校まで出かけた。

晩秋の、いつもは寂しいはずの中学校跡地が、
45頭の救助犬や救助犬候補犬とその飼い主の方たちの熱気で包まれていた。
すぐ横には箱根街道旧道が走り、紅葉見物の車で大渋滞していたが、
そこだけは、なんだかキリリと引き締まった真剣モード。

スマトラの地震の際にも、生き埋めになった人たちを救助するために出動した犬たちや訓練士たちも、試験を受けていた。
実際の救助活動出動には国や県から経費の援助も出るが、普段の訓練やこういった試験にかかる費用は、すべて会員の方たちの持ち出し。
人を助けるための活動を手弁当でやっているこういう人たちを前にすると、
本当に頭が下がる。

本来の仕事とは別に、社会の役に立つために、人知れずこういった地道な活動をしている人たち(と犬たち)がいる。
そして、このような活動に場所を提供するなどの協力を惜しまない、箱根町のような素敵な地方自治体もある。
箱根は、温泉と紅葉と駅伝だけの町ではなかったんだなあ。