9月13日 東京湾、伝統航海術

2010年09月13日 | 風の旅人日乗
昨日の東京湾には、8ノットから10ノットの風が吹き、とても楽しいレースをすることができた。

晴れて、暑くなったにもかかわらず、朝の北東風は、10時45分のスタート時には一旦90°(東)まで右に振れたものの、その後再び60°(東北東)まで左に振れ戻った。

すべての気象予報サイトが予想できなかったこの風を読み切った艇が、昨日の東京湾のヨットレースの上位に入ったわけだけど、
あんなに暑くても南のシーブリーズが入ってこないなんて、もう夏じゃないんだなあ。

レースしながら見ていると、羽田空港に直陸する飛行機は一日中、南からアプローチして北に向かって着陸していたし、北に向かって離陸する飛行機は、あっという間に高度を上げて、高々と舞い上がっていた。
つまり、上空には強い北系の風が吹いていたということなんだね。
だから、その風に阻まれて、南からシーブリーズが入ってこられなかった、ってことかも。

昨日、下記のようなコメントをいただいた。
コメントには個人情報が入っていて、コメントを公開するときにコメントの一部を削除する方法が分からなかったので、個人情報を除いて、ここにそのコメントを掲載させていただきます。

-----------------------------------------------------
西村さん

はじめまして。
伝統航海術で検索し、こちらにたどり着きました。

泳ぎが得意なわけではないですし、マリンスポーツに取り組んだこともありません。

水に親しみたいという強い衝動が湧き上がり、また、いのちの根源である水との関わりが、これからの重要なテーマになるのではないかと感じました。
今は、何の技術も持っておりませんが、これから自分に出来ることを模索していきたいと思います。

若くはありませんが(27歳、女性)、今から伝統航海術を学ぶことはできるのでしょうか?

情報をいただけますと幸いです。
このような形でのコメント、その失礼をお許しください。
-----------------------------------------------------

水、伝統航海術、に強い興味を持つ若い日本人がいることに、とても勇気づけられます。

情報については、長い文章になりそうなので、急ぎの仕事が落ち着く来週以降に、いただいたアドレスか、このブログで報告させていただきます。
現在ホクレア号のプロジェクトで太平洋の伝統航海術の勉強をしているのは、日本人女性も含め、女性が主流です。
30歳代の女性もいますよ。ですので、全然遅くありません。

現代のレースヨットで太平洋などを渡るとき、飲み水は海水をろ過して作ります。
つまり太平洋が身体の中を流れ、その一部が自分の身体になるんです。
太平洋を航海中は、太平洋の水そのものが、いのちの根源になるんです。

その水に含まれている微粒子には、太平洋で遭難して行方不明になったままでいる何人かの友人の身体から溶け出した有機物の分子が混ざっているかも知れない。
そう思うと、水を飲むときにも厳かな気持ちになります。