小泉純一郎先生、どうされましたか?
A.小泉純一郎先生、どうされましたか?
1.先生の原発論議をマスコミが取り上げています。突然、どうされたのでしょう?
随分と、狭い視野で問題を立てられているようです。
B.先生は、何年のタイム・スパンで問題を立てられているのでしょうか?
1.100年ですか?1000年ですか? 1万年ですか? 10万年ですか? 100万
年ですか?
2.おそらく先生の意識は、100年先へも届いたものではなく、先生の述べられてい
ることを考えるに、それは、今日明日の中での功利主義的解決でしかないように思いま
す。
3.先生は、「原発ゼロ」のパフォーマンス開始されるにあたって、その理由を述べら
れています。
a.使用済み核燃料の最終処分場建設の見通しが立たない。
b.「そんなことに莫大(ばくだい)な資金を使うなら、自然を資源にしたさまざまな
エネルギー源を開発するために使った方がいい」 (出所:時事通信)
4.以下に、先生の述べられている所に反論致します。
a.最終処分場の建設:
α) 建設については日本の技術力からすれば、海底の岩盤であろうと、何処であろうと
問題はありません。
β) 立地については、人の居住区域ではない島嶼部、更には、島嶼部から更に海底の岩
盤に掘り進めるなど、どうにでもなります。問題は、それを安全にやろうとする意志で
す。
γ) 先生は、フィンランドの処分場「オンカロ」を見学されたそうです。(出所:NH
K) フィンランドの人々は10万年の時を考えることができる人々のようです。
b.原発と自然エネルギーの比較:
α) ここには資金の問題と、自然エネルギーの問題の二つがあります。最初に、自然エ
ネルギーの問題から述べます。
1) 先生の考えには、永遠に続く現在が仮定されています。つまり、太陽の陽光は、昨
日と同じようにいつもふりそそぎ、潮流は明日も今日と同じように海をながれる。風も
地熱もそうであり、明日は今日と変らないという仮定です。
2) 果してそうでしょうか? 私達は恐竜が絶滅した時代を知っています。大洪水と言わ
れた時代のあったことも伝承で知っています。これらの時代に対応できるエネルギー源
を、私達は手に入れておく必要があります。そしてその技術を未来の人々のために継承
して行かなければなりません。現在でも、自然エネルギーから生み出した電力量に変動
があることが知られています。
3) 更に、これから人類は太陽系をも飛び出した宇宙圏の開発を進めて行くことでし
ょう。そこでは、当然、太陽の光は届きません。他の恒星の光も当てにはできません。
その地でのエネルギー源として、私達はまだ原子力以上のものを知りません。そして、
原子力が有効であることを知っています。
4) このような知識と技術力 (技術力とは、それを実際に建造し、安全に運用するまで
の力を言います)を、私達は、原子力以上のものが発見され、運用を開始されるまで、
明日の日本人のために、蓄積し継承して行く義務を負っています。「原発ゼロ」を叫ぶ
ことは、この義務を放棄することに他なりません。
5) 現在、日本は中華人民共和国との間で緊張しています。中国の人々は、巷間、日本
は無資源国だから、インド洋と南シナ海を封鎖してしまえば、自衛隊は動くことすらで
きないと、考えています。しかし、私達は、原子力という技術資源を、それを兵器にす
ることまで含めて、(兵器にはしていませんが)、持っています。福島の大事故を私達
は経験しましたが、それを克服することはその技術力を蓄積することであり、日本人の
強みとなります。逆に、「原発をゼロ」にしてしまうことは、私達が原子力の知識と技
術力を失うことに繋がり、日本を資源小国へとしてしまいます。
6) 郵政民営化は、国会では否決されたものの、先生は勝負に打って出られました。そ
してひっくり返されました。郵政民営化の功績は、先生の御名と共に永世変らずありま
す。しかし、「原発ゼロ」は、日本の未来を、心の底から考えて決断されようとされる
政治家の選択としては誤りです。郵政民営化は、短期的現在での課題でありながら、そ
れは、これからの日本の国家財政と国の形を左右するものになるという、自民党の亀井
静香氏との間で熾烈に争われた国家の岐路の選択でもありました。郵政民営化は必要で
したので、私は、賛成いたしました。しかし、原発の再稼働、運営、建設、研究といっ
た課題は、日本の未来に対して長期の視点を要する問題であります。「原発ゼロ」は日
本の将来にマイナスの作用を及ぼすものでしかありません。どんなことがあっても賛成
できません。
β) 資金の問題
1) これは、短期的な功利主義的な比較で語られる問題ではありません。
2) かつての日本でも、「そんなことに莫大なお金は使えない」と言って、取りやめと
なったプロジェクトがあります。原爆の開発です。(出所:永井隆氏 『長崎の鐘』)
アメリカはこれを国家プロジェクトとして極秘裏に行いました。政治家に必要なもの
は、短期的な視点はもちろんのことですが、巨視的な視点です。
柿
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