ソウルの観光ポイントの中で、私ヌルボのお薦めは戦争紀念館です。国立中央博物館とどちらかを選ぶとしたら、断然コチラに手を挙げます。
推薦理由は、
①先史時代からの歴史を、豊富な展示資料を見て学べる。つまり戦争を中心においてはいるが、基本的には歴史博物館です。
②数々の武器、戦車・飛行機等の実物、映像等々、ハングルの説明文がわからなくても視覚的に見学者の興味を引く展示物が多い。
③韓国民の国防、平和、愛国心等々についての意識、とくに日本との違いについて知る手がかりになる。
・・・・ということです。
きっちり見て回ると、丸半日はかかりますね。国立中央博物館の方は退屈する人もいるかもしれませんが、コチラの退屈度はかなり低いと思います。
地下鉄三角地駅のすぐ近く、国防部(国防省)の前にある巨大な建物です。敷地も広く、屋外にもいろんな展示物があります。
戦争紀念館は1988年成立の戦争記念事業会法に基づき、1990年9月に着工、1994年6月10日に開館しました。
設立の趣旨は、国民の国防意識高揚ですね。「外侵により民族が危機に陥った時、国と民族を救うために命を捧げて戦った先烈の犠牲と功績に、国民の名をもって報いる」という<護国の殿堂>というわけです。
逆にいえば、とくに経済発展と民主化によって若年層の国防意識の希薄化に対して、政府・国防部の危機感が設立の根底にあった、ということです。
ですから、たとえば館内の映像室で放映されるキャンペーン用ドキュメントも、声高に勇ましく愛国心を喚起するものではなく、若い女性カメラマンが、朝鮮戦争に参戦した祖父の足跡を遺品の写真を手に探るというソフトな作りになっています。
また、ほとんどゲームセンターのような射撃場(下の写真参照)もあり、ヌルボとしては「こんなに子供の歓心を買わなければならないほど国防意識が低下しているのか」と思ってしまいます。
主な展示物を写真で紹介しましょう。韓国史上の三大英雄中の一人李舜臣将軍の亀甲船は実物の2.5分の1です。
屋内にも、飛行機やヘリコプターが置かれているだけでなく、空中に吊るされて展示されています。
屋外には軍用機や戦車、大砲等がずらっと並んでいます。中に入れる飛行機もあります。
日本史の教科書でおなじみの高句麗広開土王碑の実物大レプリカもあります。(高さ6メートル。平壌にもありました。)\t
蛇足ではありますが、戦争紀念館を強く薦めたからといって軍事オタクとか軍国主義者というわけでは決してありません。
主義主張を云々する以前に、まず歴史事実とか、日韓両国民間の認識の差異とかいったものを理解することが大切だと思うわけです。
まあ、それ以前に、単純にオモシロイものはオモシロイというのもあるんですけどね。