ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国語 <パボ>(馬鹿)はなぜパボというのか?

2009-09-08 18:09:41 | 韓国語あれこれ
 <馬鹿>を韓国語で<パボ(바보)>ということは、けっこう知られていると思います。
 私ヌルボは、中学校の頃(半世紀近く前)、「馬鹿のことを<パープー>と言うんだ」と友人から聞いたことがありますが、今思えば、この言葉は<パボ>から来た言葉かもしれません。

 日本語「馬鹿」の語源については、高校時代の世界史の授業で聞いた、「始皇帝の死後、二世皇帝に趙高が「馬でございます」と言って鹿を献上した、云々」という話を思い出したのですが、あらためて調べてみると、この話は<馬鹿>の語源とは関係ナシでした。無知を表す仏教関係の梵語からという説が普通のようです。

    ★★★  韓国語<パボ(바보)>の語源は?  ★★★

 では<パボ(바보)>の語源は何でしょうか?

     
 「トゥンタンジ・韓国語旅行(ウリマル・ヨヘン)」という本に出ていました。
 今年で70歳の漫画家キム・ウヨン(김우영)が、人気少年キャラクターのトゥンタンジ(뚱딴지.上の画像)を登場させて描いた学習漫画の一つです。10年ほど前に買ったものの、ほとんどツンドクになっていましたが、今読んでみると、けっこうためになります。

 それによると、<パボ(바보)>は<パプポ(밥보)>が変化した言葉だそうです。<パプ(밥)>は<ご飯>、<ボ(보)>は<コッポ(겁보)>=弱虫、<ウルボ(울보)>=泣き虫、<ヌリンボ(느림보)>=怠け者等の<ボ(보)>で、<~虫><~者>のような意味です。あ、ヌルボの<ボ>もそうですね。

 つまり<パボ>とは、「飯を食べるだけで他に何もせずぐうたらしている、おひつ(パプトン.밥통)のような間抜け(モンチョンイ.멍청이)」ということなんだそうです。

 この本には、他にもいろいろな韓国語のさまざまな言葉の語源を説明しています。おもしろそうな記事がみつかったら、また紹介しましょう。
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東学党指導者チョン・ポンジュンと、「セヤ、セヤ(鳥よ、鳥よ)」の歌

2009-09-07 12:52:19 | 韓国の音楽
 1989年刊行の<根の深い木>社・編著「新・韓国風土記(全5巻)」(読売新聞社)は、20年前という点は考慮する必要はあるとはいえ、産業・民俗・歴史・文化等々にわたる、とても内容の濃い韓国各道ごとの地誌です。定価は各巻3200円。以前横浜の古書店にあったのをつい買い逃してしまったのですが、アマゾンで検索するとそれなりに出ていて、けっこう安く、巻によってはわずか1円!ということで、最近全巻を揃え、ポツポツ拾い読みしています。

 その中で一つ、目からウロコの記事を発見しました。
 それは東学党の全琫準(チョンポンジュン.전봉준)と、「鳥よ、鳥よ」という歌に関することです。

 「鳥よ、鳥よ」の歌詞の冒頭は以下の通りです。

 「セヤ、セヤ、パランセヤ/ノクトゥパテ、アンチマラ(새야새야 파랑새야/녹두 밭에 앉지 마라)」
 (日本語訳)「鳥よ、鳥よ、青い鳥よ/緑豆畑にとまるなよ)

 東学農民軍の指導者全琫準は、各地で政府軍を打ち破ったが、結局1894年日本軍の助けを借りた政府軍に敗れ、捕えられて刑場の露と消えました。
 その後人々の間に歌い継がれていった歌が、<緑豆将軍>といわれた彼を歌ったこの「鳥よ、鳥よ」です。

 ・・・と、ここまでは私ヌルボも知ってはいたのですが、では「なぜ<青い鳥>なのか?」については考えたこともありませんでした。
 ところが、上記の本の「第2巻 全羅北道・全羅南道」に次のような記事がありました。

 「青い鳥は漢字をもじった言葉で、琫準の姓、「全」を分解したものになり、緑豆は彼が緑豆のごとく小柄であったことに由来する愛称であった」。

 「八王(パルワン)」は<팔왕>、「青い(パラン)」は<파랑>。「八」+「王」=「全」ですか・・・。
 ちょっと「ほんまかいな?」という感もしないでもないですが、な~るほど、ではあります。ハングルで韓国サイトを検索したら、たしかにそのような説明がありましたが、サイト数はそれほど多くはありません。この件についての韓国の人たちの知識レベルはどの程度なんでしょうかねー?

※付記:一昨年だったか、ソウルでたまたま入手したチョン・ミナ(정민아)というカヤグム奏者の「想思夢(상사몽)」というCDの中にこの歌がありました。<ニュータイプの国楽>ということで、とても斬新な感じの編曲&演奏でした。なんと「バードランドの子守唄」なども入っています。
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東アジア文学にも着目! 韓国では李文烈(イ・ムニョル)がすごい!!

2009-09-06 22:55:45 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 近年の中国社会の大変貌は私ヌルボがいうまでもないことです。
 その社会と、そこで生きる人々を活写した小説がおもしろくないわけはありません。
 
 近年中国内でベストセラーになった張平「十面埋伏(上・下)」(2005.新風舎)や余華「兄弟(上・下)」(2008.文藝春秋)は日本でもほどなく刊行されましたが、これが純文学かと思われるほどのパワーあふれる娯楽大作で、どちらも一気読みしてしまいました。(内容紹介や感想等は他のサイトに全部おまかせ、ということで・・・。)

 ふつう日本で外国文学というと欧米文学がメインで、しばらく前からガルシア・マルケス等の南米の作家もそれなりに注目され、紹介されてきました。
では中国や韓国、台湾等の作家は、というとご近所のわりにはあまり知られていないし、読まれていないのではと思います。
 
 ヌルボがそれら東アジアの文学に関心を持つようになった一つの契機は「東アジアの現代文学」というサイトです。
 その中に「中国・台湾・韓国の文学」というページがあって、100作品を越える小説等を挙げて、簡潔な紹介を添えてランクアップしています。

 ヌルボはこれを読書選定の指針として、今までそれなりに(20冊くらいかな?)読んでみました。
 結論として、このリストは信頼がおけます。

 中国の鄭義「神樹」は、ヌルボがこの1990年以降に読んだ本の中でも最高といっていいほど読み応えのある小説でした。中国では、ノーベル賞に最も近いといわれる作家・莫言のいろいろな作品も、日本でもっともっと読まれていい作家でしょう。

 韓国の代表的作家・李文烈(イ・ムョル)の「皇帝のために」もスケールの大きい、すごいとしかいいようのない小説です。
 彼は、秀作映画「われらの歪んだ英雄」の原作者でもあります。小中学生向きの本もいろいろ書いていますが、中でも、「天の道」(ハヌルキル)は、極貧の家に生まれ育った青年が貧しいわけを訊ねに天への道を辿るという伝承物語風の寓意に満ちた読み物で、少年ならずとも引き込まれる作品だと思います。(未訳. 中級レベルの韓国語学習者の皆さんにはお薦めです。)

 これらの小説を読むと、昨今の日本の小説がどれもせせこましい、ちっぽけな世界しか描いていないな、との感想を持たざるをえません。

 娯楽小説では、今徳間文庫でたくさん出ている金庸の武侠小説がゼッタイお薦め!! このジャンルは日本ではあまり流行らないですが、どれも読み出したらやめられないおもしろさです。

 上記の他にも、ヌルボの知らない名作・傑作はた~くさんあるはず。各出版社の外国文学担当の皆さん、そこんとこヨロシク・・・・。

追記:お世話になったサイト「東アジアの現代文学」は2003年以降更新されていません。すごく残念です。
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韓国 <ペクシン>を1000万個確保って?

2009-09-05 13:36:02 | 韓国語あれこれ
 <백신(ペクシン)>という単語を見たら、多くの韓国語学習者は「これは漢字語だな」と見当をつけると思います。
 そして頭の中で該当する漢字を思い浮かべてみる。
 <백(ペク)>は、白かな、百もあるな。<신(シン)>は神、新、身、信、申、伸、臣等々いろいろ・・・。
 ところがこれらのどれを組み合わせてもピッタリあてはまる漢字2字の熟語は出てきません。しかたなく電子辞書で調べると、「小学館朝鮮語辞典」「プライム韓日辞典」にもありません。

 <백신>という単語だけだったら、これで行き詰まりだったかもしれませんが、「朝鮮日報」(8月30日)の記事にあったので、わかりました。

 その見出しは次のようなものでした。
 
 「전재희 복지 신종 플루 백신 연내 1000만개 확보」。
 「全在姫福祉、新種インフルエンザの<ペクシン>1000万個確保」です。
 
 また記事の冒頭は以下の通りです。

 「전재희 보건복지가족부 장관은 28일 신종 플루 확산을 막기 위해 연내에 예방백신 1000만개를 확보해 11월 중순부터 접종을 시작할 것이라고 밝혔다.」
 「全在姫保健福祉家族部長官は、28日新種インフルエンザの拡散を防ぐため<予防ペクシン>1000万個を確保し、11月中旬から接種を始めると明らかにした」となります。
 ※<部>は日本の<省>、<長官>は<大臣>に相当。

 つまり、容易に推定がつくように、<ペクシン>=<ワクチン>だったのですね。
 日本語になっている<ワクチン>はドイツ語Vakzinが元の外来語ですが、英語ではvaccine。発音はカタカナ書きだと<ヴァクスィーン>になるのでしょうが、これをハングルにすると<백신(ペクシン)>になるんですね~、と一人ナットク・・・。

 電子辞書の「プライム日韓事典」で<ワクチン>を逆引きしてみると、最初に<왁친>、次に<백신>と、2つ載ってました。

 追記:<シンジョンプルル(신종 플루)>=<新型インフルエンザ>。
    TV・ラジオや新聞のニュース等で毎日出てくる言葉なので、多くの韓国語学習者の皆さんはご存知だと思います。
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韓国内の映画  週末の興行成績 8月28日(金)~30日(日)

2009-09-04 12:24:09 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 8月最後の週末の状況です。1・2位は先週と同じ。「海雲台(ヘウンデ)」は歴代4位の「シルミド」(1108万人)にまだとどかず。
 9位はドナルドペトリ監督によるギリシャを舞台にしたドタバタ・コメディ。原題は「My Life in Ruins」。日本未公開です。

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数・・・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・国家代表(韓) ・・・・・・・・・・・・・・7/29・・・・・・・・585,591・・・・・・・・・・・・・・・・6,307,520・・・・・・・555
2・・海雲台(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・・7/23・・・・・・・・379,865・・・・・・・・・・・・・・・10,652,414・・・・・・・451
3・・ブラック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/27・・・・・・・・223,723・・・・・・・・・・・・・・・・・・273,586・・・・・・・371
4・・G.I.ジョー 戦争の序幕・・・・・・・8/06・・・・・・・・140,177・・・・・・・・・・・・・・・・2,527,908・・・・・・・337
5・・ココ・シャネル・・・・・・・・・・・・・・・8/27・・・・・・・・・92,961・・・・・・・・・・・・・・・・・・118,477・・・・・・・306
6・・オーファン  天使の秘密・・・・・8/20・・・・・・・・・91,857・・・・・・・・・・・・・・・・・・297,170・・・・・・・238
7・・アイスエイジ3・・・・・・・・・・・・・・・8/12・・・・・・・・・60,594・・・・・・・・・・・・・・・・・・827,150・・・・・・・306
       ティラノのおとしもの
8・・パーフェクト・ゲッタウェイ・・・・・・8/20・・・・・・・・・47,307・・・・・・・・・・・・・・・・・270,194・・・・・・・277
9・・私のロマンチック・ガイド・・・・・・・8/27・・・・・・・・・34,682・・・・・・・・・・・・・・・・・・45,709・・・・・・・156
10・・ヨガ学院(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・・・30,126・・・・・・・・・・・・・・・・・257,583・・・・・・・281

※このデータの出所はKOFICです。

 「海雲台」は、釜山の海岸に押し寄せた大津波が100万人の避暑客の上に襲いかかる、という話。
 この種の、たとえば「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)以後いろいろ作られてきた、日本でいうパニック映画を、韓国では<災難映画(チェナンヨンファ.재난영화)>といいます。(と8月27日の「朝鮮日報」で読みました。)
 また<津波>は日韓事典では<ヘイル(해일.海溢)>としか出てませんが、新聞には<ツナミ(쓰나미)>と日本語そのままで用いられています。
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韓国 20世紀の10大詩人

2009-09-03 18:33:24 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 韓国人は詩が好きです。ストレートな感情表現が顕著なその国民性に合っているからでしょうか?
 大書店では、小説コーナーとは別に、詩のコーナーが広くとってあって、詩だけのベストセラー順位も出ています。

 地下鉄駅の壁面や、書店のトイレの個室内(扉の内側)に有名な詩が貼られているのを見たこともありました。小説にもさまざまな詩が引用されています。先に紹介した映画「神様、こんにちは」では無名の貧乏詩人が登場しますが、韓国では詩人というと一種尊敬の目で見られているようです。

 日本では、韓国の詩人といわれて思い起こす名前はほとんどあがらないでしょう。日本の現代詩人の名さえほとんど知られていない状況のようですから・・・。(俳句人口300万人、 短歌人口30万人に対して現代詩人口3万人なんだそうです。)

 それなりに韓国に興味をもっている人の間で知られている詩人といえば、尹東柱(ユン・ドンジュ.1917~45)と金芝河(キム・ジハ.1941~)でしょうか? 最近、もしかしてノーベル文学賞受賞か?との期待を抱かせた詩人・高銀(コ・ウン.고은)が韓国では話題になったりもしていましたが・・・。

 2007年11月、「韓国日報」は、韓国詩人協会が「韓国現代詩100年を代表する10人」の選定過程とその結果、また彼らの代表作品をくわしく伝えています。(選考の対象は物故詩人のみ)

1~10位に選ばれた詩人とその代表作は以下の通りです。
①金素月(キム・ソウォル.김소월) 1902~34・・・・「つつじ(진달래꽃)」
②韓龍雲(ハン・ヨンウン.한용운) 1879~1944・・・・「ニムの沈黙(님의 침묵)」
③徐廷柱(ソ・ジョンジュ.서정주) 1915~2000・・・・「冬天(동천)」
④鄭芝溶(チョン・ジヨン.정지용) 1902~50・・・・「硝子窓(유리창)」
⑤白石(ペク・ソク.백석) 1912~95・・・・「南新義州・柳洞の朴時逢の家(남신의주 유동 박시봉방)」
⑥金洙暎(キム・スヨン. 김수영) 1921~68・・・・「草.풀」
⑦金春洙(キム・チュンス.김춘수)1922~2004・・・・「花のための序詞(꽃을 위한 서시)」
⑧李箱(イ・サン.이상)1910~37・・・・「鳥瞰図(오감도)」
⑨尹東柱(ユン・ドンジュ.윤동주) 1917~45・・・・「もう一つの故郷(또다른 고향)」
⑩朴木月(パク・モグォル.박목월) 1916~78・・・・「旅人(나그네)」

     
 1位の金素月は私ヌルボも一番好きな韓国詩人。(上の画像)
 わずか数年の間に優れた詩を多く遺し、32歳で自殺した詩人ですが、流れるような韻律と、日本の大正~昭和初期の詩と共通するようなやるせなさに魅かれます。代表作は「つつじ」で、歌にもなっていますが、ヌルボが特に好きなのは「オンマやヌナや(엄마야누나야 母さん 姉さん)」。これも童謡として歌われています。
 ※韓国ドラマ「母よ姉よ」(2000)の原題も「オンマやヌナや」ですが、内容は金素月とは関係ない、ですよね? ヌルボは見てません。

 個々の詩人については、また今度。
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えっ、ハン・ビヤさんが<キルチ>ですって!?

2009-09-02 11:35:59 | 韓国語あれこれ
 韓国MBCテレビ水曜午後11時15分からの番組「黄金漁場」では、毎回ゲストを招き、おもしろい話を聞き出すコーナーがあります。話の聞き手カン・ホドン(강호동)はシルム(씨름=韓国相撲)出身のギャグマンで、大きな図体を生かした肉体ギャグが持ち味ですが、なかなかの口達者でもあります。

 8月12日は女性探検家<風の娘>ハン・ビヤさん(51)がゲスト出演しているということで、録画DVDを見ました。
          
 ハン・ビヤをテレビで見たのは初めてですが、カン・ホドンとの対話はすごい早口で、聞き取りが苦手な私ヌルボは悪戦苦闘。脳内で話を理解する速度よりもはるかに速く耳から音声がどんどん入ってくるのでほとんどお手上げ状態・・・。
 しか~し。昨今の日本の番組と同様、出演者の話のポイントがそのまま字幕でも出てきます。カナヅチの前に浮き袋が投げられるようなもので、何とか助かっちゃうんですね。(汗&笑)
 しかし、いつになったら韓国の人たちと同じところで同じように笑えるようになるのか、ため息をつくばかりです。(涙)

 さて、その会話の中で、「悩みは何ですか?」と聞かれたハン・ビヤが、「じつは私、<キルチ>なんです」と答えたら、一同「エーッ!」と声が上がりました。

 <キルチ>=길치。話の流れで一応検討はつきましたが、辞書で<길치>を引くと、<南部地方に産する雄牛>という関係ない語がひとつあるだけ。
 いつものネット検索で探すとすぐみつかりました。やっぱり<方向音痴>のことなんてすね。<길>はいうまでもなく道のこと。

 あるサイトでQ&Aがありました。質問は「<キルチ길치>の<チ치>とは何ですか?」。回答は「音痴(ウムチ.음치)の痴(チ)です」(正解)。

 調べてみると、<길치>のほかにも次のような言葉がありました。
<パクチ(박치)>=歌を歌う時、手拍子をちゃんと合わせられない人
<モムチ(몸치)>=踊る時、リズムに乗って自然に踊れない人

 日本では、運動が苦手な人を<運痴>と言ったりしますが、韓国語で<ウンチ(운치.韻致)>といえば、「운치있는 정경(趣のある情景)」のように風雅な趣きのことをいう言葉だから関係ないです。

 ハン・ビヤさんのことはまた今度くわしく記しましょう。
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韓国の代表的漫画家15人

2009-09-01 19:29:07 | 韓国の漫画
 8月14日紹介した、ソウルの大型書店教保文庫のサイトにあった「漫画家ベスト」の続きです。
 前回は「日本の漫画家」でしたが、今回は「韓国漫画家」のベスト15を紹介します。

 順位=順位を示すかどうかは不明。数字はヌルボが便宜上つけたものです。
 私ヌルボが出生年と代表作、そしてコメントをつけ加えました。

①ホ・ヨンマン(허영만.許英萬) 1947~。「食客(식객)」。その他「タチャ」「コル」等。
 韓国料理漫画の代表作「食客」はドラマ化され映画にもなりました。やっぱり原作漫画の方がずっと上! 今月第24巻が刊行されました。
 ホ・ヨンマンが1987年に出した「オー! 漢江」は、韓国の漫画史によく取り上げられる漫画ですが、今は絶版。東大門市場とか釜山の古本通りをざっと探したりもしましたが見つからず、未読のままです。デモ学生が正しいとした、画期的な<80年代運動圏の必読漫画>とのことです。
 「食客」についての詳細はまた今度。

②コ・ウヨン(고우영.高羽榮) 1938~2005。「林巨正」「三国志」「十八史略」「一枝梅」等。
 1950年代から2000年まで活躍した韓国の代表的漫画家。「林巨正」(1972)は洪命憙(ホンミョンヒ. 홍명희)の歴史小説が原作で、韓国最初の大人向け長編歴史劇画の先駆けとなりました。

③シム・スンヒョン(심승현.沈承) 1971~。「パペポポ」シリーズ。
 「パペポポ」は癒し系の漫画で、継続的な人気を保っています。第1作の「パペポポ・メモリーズ」(2002)の各章のタイトルは愛・意味・関係・時間・思い出、となっています。

カンプル(강풀) 1974~。「26年」「純情物語」「パボ」「アパート」「タイミング」等。
 私ヌルボのイチオシの漫画家です。緻密な構成・展開と、カラーを生かした絵柄で、どの作品も読み応えあり! ネット漫画で人気を得ました。
 笑える漫画「日常茶飯事」を最初に読みましたが、長編の「パボ(바보.=馬鹿)」で完全にファンになりました。これは昨年チャ・テヒョン、ハ・ジウォン主演で映画化されましたが、未見です。(日本未公開) 「アパート」と「タイミング」はホラー。前者は映画でも観ましたがやはり原作がずっと上。「タイミング」は<ヤジャ>の記事で少しふれました。
 「純情漫画」は日本でも刊行されましたが、宣伝がまずかったか(?)話題にもならなかったみたいですね。
 「26年」も映画化。光州事件のその後を扱った問題作。くわしくは、また今度。

⑤イ・ヒョンセ(이현세.李賢世) 1954~。「恐怖の外人球団」「南伐」等々多数。
 1980年代から活躍している韓国漫画の巨匠。「弓」と「純姫(スニ)」は日本でも刊行されました。
 「恐怖の外人球団(공포의 외인구단)」(1983)は韓国漫画史に大書される作品で、近年映画化・ドラマ化されています。
 「南伐(ナムボル)」は、未来のある日、日本の侵略を受けた韓国が日本を降伏させ、独島の領有権が大韓民国にあるという事実を世界に知らせるという内容。後書きで「南伐は日本の軍国主義に対する警戒心と、この国の対策のない武装解除に対する警告である」としているそうです。2005年5月17日付「朝鮮日報」では、彼が<名誉独島警備隊隊長>となり、サイバー空間で独島を守る任務にあたることになった、と報じられています。

⑥パク・ソヒ(박소희. 朴韶希) 1975~。「宮(궁.クン)」
 千葉県出身の在日3世の女性漫画家。「宮」(2002)は日本では「らぶきょん―LOVE in景福宮」のタイトルで刊行。紹介&説明はあえて省略。有名だし、いいでしょ?

⑦チョ・ソク(조석) 1983~。「心の声(마음의 소리)」。
 ギャグ漫画「心の声」(2007)は、大手のポータルサイトのネイバーで人気のウェブ・トゥーン(ウェブ上のcartoon=連載漫画)。
 最近よく売れているようで、現在第3巻まで出ています。ヌルボも最初のを読みましたが、・・・・ウーム。

    
⑧カン・ドハ(강도하) 1969~。「偉大なるキャツビー」。
 カン・ドハもネット漫画家の一人。現代の青春を描いた「偉大なるキャツビー(위대한 캣츠비)」は爆発的な人気を呼び、2005年大韓民国漫画大賞を受賞。タイトルはフィッツジェラルドの「偉大なるギャツビー」のもじりでしょう。「ギャッツ(갯츠)」じゃなくて「キャッツ(캣츠)」ということで、各キャラクターをネコやイヌを擬人化して描いている点(上の画像)に特色がありますが、内容的にはかなりシリアス。

⑨イ・ウォンボク(이원복. 李元馥) 1945~。「遠い国 となりの国」。
 徳成女子大学教授で、世界各国を達者な漫画と具体的内容で描いた教養漫画「遠い国 となりの国(먼나라 이웃나라)」は1400万部のベストセラーになりました。

⑩チェ・フン(최훈) 「三国戦闘記」。
 この漫画家は知りませんでした。「日刊スポーツ」連載の「三国戦闘記」は「三国志」の漫画版のようです。

   
⑪ヤン・ヨンスン(양영순.梁榮淳) 1971~。「ヌードルヌード」「ジャンクブック」等。
 この漫画家も知りませんでしたが、ネット漫画家として活躍しているようです。
 ネット漫画「学習マナ」や、「千一夜話」の表紙(上の画像)を見ると興味をそそられる感じ・・・。そのうち読んでみます。

⑫クォン・ユンジュ(권윤주) 1975~。「スノーキャット(스노우캣)」。
 女性のネット漫画家です。「スノーキャットのひとりあそび」という日本語版が出てますね。

⑬パク・ヒジョン(박희정) 1970~。「ホテル・アフリカ」。
 「ホテル・アフリカ」(2005)は日本でも刊行。アメリカ・ユタ州のホテルを舞台にしたオムニバスヒューマンドラマ。

⑭チョン・ククジン(전극진) 1968~。「熱血江湖」。
 「熱血江湖(열혈강호)」はチョン・ククジン作・ヤンジェヒョン(양재현)画。漫画雑誌「ヨン・チャンプ(영챔프)」の創刊(1994年)から連載。(え、49巻(?)も出てるの?) 武侠アクションにコミック味を織り込んだ作品。
 ヌルボは最近横浜の貸本屋さんで初めて見ました。最初、「熱血ガンホ」かと思っちゃいました。(笑) 俳優ソン・ガンホを思い出して名前かと・・・
 香港の人気作家金庸の傑作武侠小説「秘曲・笑傲江湖」(徳間文庫.オモシロイ!)の<江湖>と同じで、世間とか、黒社会(?)とかの意。

⑮ハン・スンウォン(한승원) 1958~。「ビクトリー ビッキー」「プリンセス」。
 韓国漫画界の大御所キム・ドンファ(金童話)の夫人。ヌルボはキム・ドンファの方は知っていたし本も持っているんだけど、奥さんは知りませんでした、はい。
 「ビクトリー ビッキー(빅토리비)」は、イギリスの令嬢ビッキーがアメリカに行って・・・、という話。舞台も登場人物も西洋というのは、少女漫画では日韓共通でけっこうあるようです。
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