栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

窯出しして・・・

2007-07-03 10:44:18 | 陶芸
最初の窯焚きは、ただただ思いついたものを、作って焼きました。
そして、お世話になった人や実家、友人に配ってほとんど無くなりました。
さて、二度目の窯焚きとなると、粘土代や油代、窯の借り賃などあるので、売ると言うことを考えねばなりません。
作ることに関しては教わるところがありましたが、ビジネスになってくると見当がつきませんでした。

窯出しをしながら、
「よく焼けた♪」
「これは今一だなあ・・・」
などルンルンしていましたが、
ずらりと並んだ作品を見て、

「さあ・・・どうしよう・・・」

そこで僕がとった行動は

作品を車に積んで、益子のお店を一軒一軒回ることでした。

今でこそ、あらかじめアポをとって、出かけたりしますが、
そんなこと知らず、いきなりです。

「こんにちは~。」
「は~い、いらっしゃい。」

愛想よく出てきてくれても、売り込みだとわかると、
とたんに、
「うちは取引を増やす気はないのよねえ。」
とか
ほうきでその辺をはきだすと言う人もいました。

それでも、何軒かまわると、見てくれる人もいるものです。
買ってくれたり、励ましてくれたり、アドバイスしてくれたり。

商談というものは、
まずどこの、何者なのか。
そしてどんな作品なのか
それはいくらで何個あるのか。
注文はできるのか。

大体こんな内容です。
僕は、値段をきかれて、逆に聞き返しました。
「いくらぐらいでしょうか?」

でもこれは、まずいやりかたです。
聞かれたほうも、わからないわけでして
結局、売りやすい値段を提示してくることになります。

ここで決まった値段が後々、基準になるものでして
後で苦労することになります。

難しいことではありますが、原価、手間賃、自分の考えをいれて決めることです。

当時それを良くわかっていませんでした。

それでもなんとか、売りさばいて、一安心。

ビジネスと言うのは、売れてすぐにお金が入るわけではなく、
月末払いとか、一月あとなんてことが一般的です。
集金にいっても、小切手ということもあります。

給料で生活していたものにとって、これは慣れるのに時間がかかりました。

さらに、集金したものがそっくり自由になるわけではなく、いろんな支払いをすると
驚くほど手許に残らなかったりするものです。

でも自分の作品が、お店にならんでいる!

うれしかったですねえ。

そして売れてなくなっていくと、舞い上がるような気持ちでした。

売れないものもありました・・・

時々見に行くんですが、

「まだある・・・」

そういうお店には、行きにくくて、困りました。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (イフ)
2007-07-04 01:48:58
そんなふうにして、売込みしてきたんですね~
一軒一軒回るのは、勇気も必要ですよね。
経験からの話は、勉強になります。
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イフさんへ (どんぐりまん)
2007-07-04 09:10:35
犬もあるけば・・・と言いますが、人間はもっと計画的でなければと反省しています。
返信する

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