原発学習会でお話しをさせていただきました

2011-07-21 22:47:43 | 雑感
21日の夜、原発学習会が開かれました。参加者は20名ほど。軽井沢から参加された方もいらっしゃいました。今回は私がお話しをする番。テーマは最近の電力事情とエネルギー政策でした。その内容についてお知らせいたします。

1、電力使用は横這いから減少傾向にある
上の図は中部電力さんの最大電力量の推移表です。一目瞭然のようにここ10年間最大電力量は横這いで推移しています。景気後退や人口減少、産業の海外移転、省エネの中でこれからも電力需要は低迷、将来的には減少してゆくことと思います。

2、電力使用のピークは午後2時前後、要因は産業用電力だ
電力需要の一日の変化のグラフです。。午前10時から11時ごろ最初0のピークがあり昼食でいったんダウン、最大のピークは午後2時から3時ごろとなります。内訳のうち家庭消費は朝と夜にピークをつけ、日中は電力需要は落ち込んでいます。確かに多くの方は日中は会社に出ていて留守の時間帯です。

以上から言えることは第一に、節電すべき時間帯はウィークデイの午後2時前後ということがわかります。いま新聞紙上で暑さで寝苦しい中クーラーをつけず熱中症にかかる方がいらっしゃいますが、夜間は電力は十分足りています。身体を壊してまでも節電する必要はありません。

第二に、ピーク電力は産業用需要によって構成されており、何よりも節電に取り組まなければならないのは産業電力であるということです。

3、原発の電力は決して安くない

原発の電力はこれまで一番安いと言われてきました。これに一石を投じたのは立命館大学の大島堅一氏でした。氏は電力会社の過去30年間の有価証券報告書から実績値を検証。従来の算定方式には原発の開発・立地に伴う財政支出を算入していないと指摘されました。そして財政支出も含めると10円68銭になると指摘されました。むろんこの数字には原発事故への補償費用は含まれていません。含めればさらに数字は大きくなります。

4、電気が足りないのは夏の暑い数日の、それも午後2時前後の数時間のみ

上記のデータは2003年の夏の東京電力の最大電力と気温のです。青い四角で囲んであるのは土日などの休日です。気温が高くても休日は最大電力は伸びません。むしろウィークデイの方が最大電力は伸びています。

これから言えるのは節電が必要なのはウィークデイの数日、それも午後2時前後のピークを下げるための努力なのです。ですから産業界がこぞって午後2時前後のピークダウンに取組み、電力受給に余裕のある土日稼動を行なっているのは至極当然のことなのです。

5、原発ってこんなにも美味しい

原発をつくるとなると自治体にはできるまえから国から様々な交付金がいただけます。原発ができれば今度は電力会社から多額の固定資産税が入ってきます。しかし固定資産税は減価償却で目減りしてきます。

電力会社からのお金に頼りきっている自治体は困ります。そこで今度は自治体の側からもう一つ原発を作ってくれとお願いすることになります。いったん原発と言う打ち出の小槌の美味しさを知った自治体はそれから逃れられなくなります。

6、からくりの大本は総括原価方式にあります

なぜこんな大盤振る舞いの経営ができるのでしょうか。それは総括原価方式という電力会社特有のもうかる仕組みがあるからです。福島原発事故を受けて経営陣は報酬を半額の3千5百万円にしたと言う報道がなされました。もともとは7千万円だったのかとびっくしたものです。電力会社は儲かるのですね。

これは電気料金を決める際、かかったコストに利益を上乗せしているのです。その利益もコストの3%と決まっています。絶対に損をしない仕組みになっているのです。一般企業であれば経営努力をしてコストを引き下げて利益を生み出そうとします。しかし電力会社は最初から儲かる仕組みになっているので、コストを引き下げる努力をしません。むしろコストがかかればかかるほど利益は膨らむのです。

これまでにもデータ隠しなどによって原発が止まったことがありました。経費もかかって大変だろうなと思ったものでした。ところがどっこい、かかった経費に3%の利益を載せて使用者から電気料金として徴収していたのです。自分たちの不始末で原発が止ったのにそのツケはすべて使用者にまわす。こんな美味しい経営を電力会社はやってきたのですね。これでは何も変わらない。

原発には多額の費用がかかり、事故にでもなれば取り返しがつかなくなることは今回の福島原発でいやと言うほど知りました。しかし電力会社から原発をやめるという声は聞こえてきません。原発は美味しいという状況から変える必要があるのではないでしょうか。

東御市の放射線量測定の結果について

2011-07-21 06:03:03 | 議会活動
19日に東御市における放射線量の測定が長野県によって実施され20日に発表されました。これは県民の放射能に対する不安に応えるため長野県が7月から全県の市町村で実施しているもので、測定場所は市役所や町村役場と学校の2ヶ所。結果は順次発表されています。

東御市においては東御市役所と東部中学校の2ヶ所を測定したそうです。詳細は以下をご覧ください。

● 東御市における放射線量測定結果


この結果によればいずれも毎時0.04~0.05シーベルトとなっています。これは周辺市町村と比べても十分低い値でありほっとしています。これまで放射能汚染に不安を覚えていた市民の皆さんもこれで安心されるのではないでしょうか。市はこの結果を単にホームページに掲載するだけでなく、これからの広報やFMとうみなどで広く市民に知らせていただきたいと思います。

それにしても3月12日に原発事故が起きてからすでに4ヶ月たってやっと放射線量が分かるとはいったいどうしたことでしょうか。私は6月議会の一般質問において市民の安全と安心に対して責任を負っている市が独自測定を行なうべきだ、実施するための機材もあるではないかと主張してきました。長野県が測定を行なうまで何の手立ても打たなかった市の姿勢はいかがなものでしょうか。

今回の県の調査は市役所と東部中学校の2ヶ所での測定だけです。市は県が行なったからこれで良しとするのではなくさらに進んで市内のすべての小中学校、保育園など子供たちが生活する場所や、ホットスポットの危険性がある側溝などの測定を進めるべきです。

今回の福島原発事故の影響はいま全国に広がっています。私たちもこれから将来にわたって身近に放射能を意識して生活せざるを得ません。今後放射能からどのようにして身を守るかについて市民への啓発活動が必要になってきます。あわせて市当局に要請して行きたいと思います。

日めくりカレンダー