九州電力によるやらせメール事件が思わぬ展開を見せています。やらせメールの震源がなんと認可当局である古川佐賀県知事自身であることがわかりました。認可する側である佐賀県と認可される側である九州電力が舞台裏で口裏を合わせていたのです。これでは水戸黄門に出てくる悪代官と悪徳業者、越後屋との関係そのままです。7月30日の新聞報道の内容を転載します。
九電やらせメール 古川知事が引き金?
玄海原発(東松浦郡玄海町)2、3号機の再稼働に関する説明番組をめぐる九州電力の「やらせメール」問題で、古川康佐賀県知事は30日、緊急に記者会見を開き、番組開催5日前の6月21日に九電副社長(当時)ら幹部3人と面会し、「原発の再稼働を容認する意見が経済界にあるが、表に出てこない。番組の機会を利用して、その声を出していくことも必要」と発言していたことを明らかにした。知事は「やらせメールを依頼したことは全くない。当事者の九電に対し、発言したことは軽率だったと反省している」と釈明したが、同問題を調査している第三者委員会の郷原信委員長は30日夜、福岡市で会見し、「知事の発言がやらせメール問題の引き金になった可能性は十分にある」と述べた。
古川知事によると、6月21日朝、退任あいさつに訪れた当時の段上守副社長と原子力発電本部長の諸岡雅俊常務、大坪潔晴佐賀支店長と知事公舎で面会した。玄海原発の再稼働問題に話が及び、知事は説明番組の周知を求めた際、「再稼働の議論を深めるためには賛成、反対双方の立場から幅広い意見を寄せてもらうことが必要」と発言。反対意見だけでなく、電力の安定供給を理由に再稼働を容認する経済界の意見を出す必要性も話したという。
九電の調査結果では、副社長ら3人が知事と面会した後の同日昼に「発言投稿を増やす必要がある」と認識を共有、やらせメール指示に至った経緯がある。結果的にやらせメールにつながった可能性を問われると、古川知事は「私が言ったから、やらせが行われたとは考えていない」と否定し、自身の責任については「第三者委員会の事実解明を待ちたい」と述べた。
これに対して原発に反対している京都大学の小出裕章助教は2011年7月30日の中日新聞朝刊で以下のようにコメントしています。
原子力行政は、「原子力村」の中で、政府、自治体、電力会社がグルになってずっとやってきた。九州電力に続いて発覚した今回のやらせ問題も、何の驚きもない。逆に、ようやく今になって原子力行政の「常識」が問題視されるようになったということに驚く。わたし自身、何度も、原発政策を進める自治体でのシンポジウムで、多くの人が動員され参加するのを見てきた。今回明らかになった問題は氷山の一角にすぎない。
九電やらせメール 古川知事が引き金?
玄海原発(東松浦郡玄海町)2、3号機の再稼働に関する説明番組をめぐる九州電力の「やらせメール」問題で、古川康佐賀県知事は30日、緊急に記者会見を開き、番組開催5日前の6月21日に九電副社長(当時)ら幹部3人と面会し、「原発の再稼働を容認する意見が経済界にあるが、表に出てこない。番組の機会を利用して、その声を出していくことも必要」と発言していたことを明らかにした。知事は「やらせメールを依頼したことは全くない。当事者の九電に対し、発言したことは軽率だったと反省している」と釈明したが、同問題を調査している第三者委員会の郷原信委員長は30日夜、福岡市で会見し、「知事の発言がやらせメール問題の引き金になった可能性は十分にある」と述べた。
古川知事によると、6月21日朝、退任あいさつに訪れた当時の段上守副社長と原子力発電本部長の諸岡雅俊常務、大坪潔晴佐賀支店長と知事公舎で面会した。玄海原発の再稼働問題に話が及び、知事は説明番組の周知を求めた際、「再稼働の議論を深めるためには賛成、反対双方の立場から幅広い意見を寄せてもらうことが必要」と発言。反対意見だけでなく、電力の安定供給を理由に再稼働を容認する経済界の意見を出す必要性も話したという。
九電の調査結果では、副社長ら3人が知事と面会した後の同日昼に「発言投稿を増やす必要がある」と認識を共有、やらせメール指示に至った経緯がある。結果的にやらせメールにつながった可能性を問われると、古川知事は「私が言ったから、やらせが行われたとは考えていない」と否定し、自身の責任については「第三者委員会の事実解明を待ちたい」と述べた。
これに対して原発に反対している京都大学の小出裕章助教は2011年7月30日の中日新聞朝刊で以下のようにコメントしています。
原子力行政は、「原子力村」の中で、政府、自治体、電力会社がグルになってずっとやってきた。九州電力に続いて発覚した今回のやらせ問題も、何の驚きもない。逆に、ようやく今になって原子力行政の「常識」が問題視されるようになったということに驚く。わたし自身、何度も、原発政策を進める自治体でのシンポジウムで、多くの人が動員され参加するのを見てきた。今回明らかになった問題は氷山の一角にすぎない。