驚くべき田舎芝居!

2011-07-30 23:10:34 | プロフィール
九州電力によるやらせメール事件が思わぬ展開を見せています。やらせメールの震源がなんと認可当局である古川佐賀県知事自身であることがわかりました。認可する側である佐賀県と認可される側である九州電力が舞台裏で口裏を合わせていたのです。これでは水戸黄門に出てくる悪代官と悪徳業者、越後屋との関係そのままです。7月30日の新聞報道の内容を転載します。

九電やらせメール 古川知事が引き金?

玄海原発(東松浦郡玄海町)2、3号機の再稼働に関する説明番組をめぐる九州電力の「やらせメール」問題で、古川康佐賀県知事は30日、緊急に記者会見を開き、番組開催5日前の6月21日に九電副社長(当時)ら幹部3人と面会し、「原発の再稼働を容認する意見が経済界にあるが、表に出てこない。番組の機会を利用して、その声を出していくことも必要」と発言していたことを明らかにした。知事は「やらせメールを依頼したことは全くない。当事者の九電に対し、発言したことは軽率だったと反省している」と釈明したが、同問題を調査している第三者委員会の郷原信委員長は30日夜、福岡市で会見し、「知事の発言がやらせメール問題の引き金になった可能性は十分にある」と述べた。

 古川知事によると、6月21日朝、退任あいさつに訪れた当時の段上守副社長と原子力発電本部長の諸岡雅俊常務、大坪潔晴佐賀支店長と知事公舎で面会した。玄海原発の再稼働問題に話が及び、知事は説明番組の周知を求めた際、「再稼働の議論を深めるためには賛成、反対双方の立場から幅広い意見を寄せてもらうことが必要」と発言。反対意見だけでなく、電力の安定供給を理由に再稼働を容認する経済界の意見を出す必要性も話したという。

 九電の調査結果では、副社長ら3人が知事と面会した後の同日昼に「発言投稿を増やす必要がある」と認識を共有、やらせメール指示に至った経緯がある。結果的にやらせメールにつながった可能性を問われると、古川知事は「私が言ったから、やらせが行われたとは考えていない」と否定し、自身の責任については「第三者委員会の事実解明を待ちたい」と述べた。


これに対して原発に反対している京都大学の小出裕章助教は2011年7月30日の中日新聞朝刊で以下のようにコメントしています。

原子力行政は、「原子力村」の中で、政府、自治体、電力会社がグルになってずっとやってきた。九州電力に続いて発覚した今回のやらせ問題も、何の驚きもない。逆に、ようやく今になって原子力行政の「常識」が問題視されるようになったということに驚く。わたし自身、何度も、原発政策を進める自治体でのシンポジウムで、多くの人が動員され参加するのを見てきた。今回明らかになった問題は氷山の一角にすぎない。

職員の不適切な事務処理について

2011-07-30 07:16:17 | 議会活動
7月29日の信濃毎日新聞において、東御市の料金などの口座引き落とし事務で職員の不適切な事務処理が行なわれたとの報道がありました。この件について28日に市側から議員宛に説明文書が届きましたので市民の皆様にお知らせいたします。

市側の説明によれば、7月25日に市民の皆様の預金口座から引き落とされる料金が、事務手続きを失念したことにより引き落とされなかったとのことです。該当料金は全体で2634件、料金の総額は約1783万円あまり。内訳は保育料、市営住宅使用料、オフトーク通信使用料、ケーブルテレビ使用料、老人施設入所負担金です。これはすべて八十二銀行の預金口座から引き落としに関わるデータです。

なぜこのようなことになったのかについて市側の説明は「八十二銀行へ電送により依頼する事務を怠った」としています。東御市の場合公共料金の口座引き落としは市内にある金融機関に引き落としデータをフロッピーディスクに収めて依頼しています。しかし八十二銀行だけは引き落としデータを電話回線を通して直接同行の電算センターに電送する仕組みになっています。今回その事務処理が行なわれていませんでした。

今後の対応について、市は該当者へのお詫びと口座引き落とし日の変更のお願いを郵送し、8月5日に引き落とすとのことです(再引き落としは8月15日)。

問題はなぜこのような不適切な事務処理が発生したかということです。担当者の単純な失念なのかそれとも係替えなどによって事務に不慣れだったのか、管理者の日常的な事務チェックがきちんと行なわれたのか、ダブルチェック体制が機能したのかなどの検証が必要です。

市側は再発防止策として「集約担当部署は、事務日程を正担当者、副担当者及び係長が共有し、事務の進捗確認を行う。集約担当者は、事務処理が完了したら、関係部署の係長にその旨の報告を行う」としています。

しかし、これは事務処理としては当然のことです。当然の事務処理が適切に行われなかったから問題が発生したのです。正担当者が失念してもなぜ副担当者が気がつかなかったのか、なぜ管理者のチェックが働かなかったのかが問題なのです。

昨年も図書館事務職員の公金をめぐる不適切な事務処理、下水道負担金の未収金時効問題が発生し綱紀粛正が問題になりました。今回またしても不適切な事務処理が発生したということは、そもそも仕事のやり方に何かしら構造的な問題があるように思います。

今回は議会が開かれてないのでこの件についての報告は文書による通知で行われました。今後担当部署を訪問し直接お聞きしたいと思います。

原発は政府・業界ぐるみのやらせだった!

2011-07-30 06:28:57 | 議会活動
7月30日付けの信濃毎日新聞の第一面は、「保安院『やらせ』依頼、原発シンポ 中電と四国電に」という見出しで下記の記事を掲載していました。

中部電力と四国電力は29日、経済産業省が2007年と06年に主催したプルサーマル計画に関するシンポジウムで、同省原子力安全・保安院から、反対派の発言だけにならないよう質問を作成して地元住民に発言させるなど「やらせ」の依頼があったと明らかにした。

九州電力の「やらせメール」を受けた一連の問題で、国の関与は発覚したのは初めて。計画推進への住民理解を規制官庁が演出していたことにもなり、信頼は失墜。停止中の原発の再稼動に影響を与えるのは必至だ。

海江田万里経産相は記者会見で、保安院が関与した可能性を認めた上で「特定の意見表明を誘導した事実があれば大変申し訳ない。うみを出し切る」と述べた。法律の専門家を含む第三者委員会を設置し、8月中に事実関係を調べる。菅直人首相は記者会見で「極めて由々しき問題で、保安院の存在が問われる」と述べた。

やらせメール問題で経産省が電力7社に指示した社内調査で判明。保安院から依頼があったとの報告は中部、四国電だけだが、九州電は資源エネルギー庁から動員要請とも取れる発言があったことを明らかにした。四国、中国、九州電は社員らにシンポでの発言を要請したと報告。北海道、東北、東京電を含む7社すべてが社員らに開催周知や参加要請していた。

保安院の寺坂信昭院長は記者会見し「中立、公正な判断を旨とする保安院にとって深刻な事態と受け止めている。大変申し訳ない」と謝罪した。(信濃毎日新聞2011年7月30日付)


九州電力の「やらせメール」が発覚したと思ったら、今度は規制すべき官庁自らが「やらせ」を演出していたことが判明しました。少なくとも行政は中立・公正であると信じていた私にとって大変な驚きでもあります。まさに国民の信頼は地に落ちたと言わざるを得ません。プルサーマル計画そのものの正当性さえ再検証すべきです。

原発をめぐる闇は果てしなく深いことがはからずも露呈されました。電力会社が絶対に損をしない総括原価方式、電力会社の独占的経営体質、原発をめぐる手厚い地元対策費、原発にからむ巨額の利権構造などがその背景にあることは容易に想像できます。

しかしとも思います。これは単に保安院だけの問題なのでしょうか。保安院を解体すればそれで収まるのでしょうか。原発をしゃにむに推進してきた国の責任や電力会社の責任はいったいどうなのでしょうか。いったん被害が出れば日本の浮沈にかかわるような大きな問題を、国民的な合意を得ずして進めてきた政治の責任はいったいどうなのでしょうか。

とかげの尻尾切りではありませんが、少なくとも保安院を解体すれば一件落着ということのないように願いたいものです。

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