ジミー・ウォングとボブ・ウォール
ブルース・リーによって巻き起こった”あの頃のカンフーブーム”の世代で知らない人はいないでしょう。このお二人が今年に入って相次いで旅立ちました。
ジミー・ウォング(王羽/Wan Yu)
日本ではブルース・リーの出現によって、カンフー映画が知られるようになりましたが、それ以前に香港・台湾ではすでにジミー・ウォングがカンフースターとしての地位を誇っており、いわば香港アクション映画の立役者でした。
ジミーの名を一躍有名にしたのが「片腕ドラゴン」 敵との戦いで片腕となりながらも、復讐を誓いながら想像を絶する鍛錬によって鍛え上げた片腕一本で戦いを挑む・・・。好評を博し続編的な片腕カンフー作品がいくつか製作されました。
ジミーの活躍ぶりを知った勝新太郎が日本に招いて撮影したのが人気映画シリーズ『新座頭市/破れ!唐人剣』(1971年)
異国の者同士でありながら友情が芽生えるも、行き違いがあって最後は両者が相まみえる・・・男同士の切ない物語。ジミーは片腕の武芸者。日本公開版では勝が勝利を収めますが、香港公開版ではジミーが勝に重症を負わせて立ち去るという描写のようです。座頭市シリーズの異色作であり、ジミー側にすれば「片腕カンフー作品」の側面をも持ち合わせているようです
『冷面虎』(1973年)はもともと「危機一発」「怒りの鉄拳」に次ぐブルース・リー主演第3弾として、ゴールデンハーベスト社が製作する予定でしたが、ブルースが出演拒否をしたために同社所属のジミーが引き受けた作品。京都を中心とした日本での物語ゆえ、ヒロインには岡田可愛がキャスティングされています。日本で謎の死を遂げた父の真相を確かめるべく来日したジミーが、旧友と再会する一方で日本の暴力組織と戦う羽目になるストーリー。当時の昭和風情をも楽しめる作品ですね
ボブ・ウォール(=ロバート・ウォール)
「燃えよドラゴン」で妹を死に追いやった悪漢として、空手の試合でブルースにこてんぱんにやられていたオハラを演じていました。ぼさぼさの長髪に顔の半分を覆う髭面がカッコよかった。
「燃えよドラゴン」の前に作られた「ドラゴンへの道」でもギャングの用心棒として出演(左)、血気盛んなファイターとしてブルースに戦いを挑みますが最後は金的にパンチを食らい絶命・・・。
「死亡遊戯」では、名場面ともいえるロッカールームでの死闘を繰り広げています。相手はもちろんブルース・リー・・・もとい、ブルースのそっくりさん。何しろこの映画はブルース亡き後に作られましたからね。本物のブルースとその代役の相手をしたボブ・ウォール。どういう心境だったのでしょうか。
今頃はブルースを中心に再会しているかもしれませんね。あ・・・勝新太郎も合流しているかも
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