ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ゲット・ラウド

2011-09-04 19:13:54 | か行

どっちかっていうと番長、
音楽オンチなんですけど、

これはおもしろかった!

「ゲット・ラウド」73点★★★★


ジミー・ペイジ、ジ・エッジ(U2)、
ジャック・ホワイト(ザ・ホワイト・ストライプス)という

さすがにワシでも知ってる
3人の超有名ギタリストが、

なんと
一夜限りのセッションをするという。
それを
「不都合な真実」の監督が記録した作品です。


3人のセッションが終着点ではあるんですが、
その前に3人に密着取材をし、

故郷や自宅まで紹介してもらったりして、
三人三様のバックボーンを描いてるんですね。

で、それらを絶妙につなげ、
途切れなきメロディへと編み上げた、
構成がうまい!



エフェクターを使いこなす、
テクノロジーの申し子のようなジ・エッジ。


いっぽう「テクノロジーはリアルじゃない」と
ルーツであるテネシーブルースの原点へ向かう
最年少のジャック。

光と影、ささやきと雷鳴……
繊細かつ多様な表現を愛する“ネ申”ペイジ。


見ていると、それぞれルーツも
ギターへの考えかたも全然違うことがわかる。

なのに3人集まってどうなるんだ?!
ハラハラするんですが


さあ、どうなるでしょう?!

それは見てのお楽しみ~~(笑)。


驚いたのは
3人がとても寛大に親切に、
創造のハウ・ツーを教えてくれること。


誰もが知ってる曲のワンフレーズを例に出し、
「こうやって作ってるんだ」と教えてくれてるようなもので、
これは「おお~~」と思う。

ギター少年や、音楽好きには
もちろんたまらないでしょうが、

それだけでなく
クリエーターの「創造のヒミツを知る」って意味で
すっごく貴重なものを映してます。


ジ・エッジの音作りを直々に教わったあとで、
あの繰り返されるギターのメロディが流れ、
U2のライブ演奏へとつながる、この流れ--。

思わず鳥肌、立ちました~~。

創造、ってスゲエ!


★9/9からTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国で公開。

「ゲット・ラウド」公式サイト


来週発売『週刊朝日』(9/16号)
おなじみ「ツウの一見」で、
雑誌『ギター・マガジン』編集長・野口広之さんに
お話を伺ってます。

野口さんでもビックリ!の
映像満載だそうで、ビックリしました。

ぜひ、誌面と合わせて
ご覧ください~~。
コメント
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