芸術はバクハツだー!
お母さんもバクハツだ-!…...。
「素敵なダイナマイトスキャンダル」72点★★★★
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7歳のときに母親が隣家の息子とダイナマイト心中をするという
衝撃的な経験をした青年・末井昭(柄本佑)。
18歳で岡山の田舎を飛び出した彼は
デザインの仕事に興味を持ち、バイトで学費を稼いで学校に通う。
下宿先で出会った牧子(前田敦子)と結婚した彼は
やがて1970年代のアンダーグラウンドカルチャーに目覚め、
『ウィークエンドスーパー』や『写真時代』など
伝説の雑誌を次々と創刊していくが――。
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伝説の雑誌編集長にして作家・末井昭氏の自伝を
「パビリオン山椒魚」(06年)「南瓜とマヨネーズ」(17年)などの
富永昌敬監督が映画化。
母親がダイナマイト心中(!)するという
衝撃的な体験をした彼の青春譚は
昭和のサブカルチャーの一大絵巻でもあり
卑猥で淫靡で、でもどこかあっけらかんとしたエロスが充満する
あの時代の雰囲気が満点。
わら半紙のような、ざらついた映像の質感もすごくいい。
ご本人を少しだけ存じあげているので、
演じる柄本佑氏のぬぼ~ん、とした様子が
ピッタリ合っていてびっくり(笑)。
妻役・前田敦子氏も
昭和の「いたいた」おばさんっぽさがうまい。
ほかも
愛人役の三浦透子氏
主人公の良きパイセンとなる峯田和伸氏、
バクハツな母を演じる尾野真千子氏
さらにすぐにアラーキー=荒木経惟氏がモデルとわかる
カメラマン役になんと菊地成孔氏が扮するなど
役者使いが絶妙で、引きこまれました。
登場人物たちがなぜか包帯やら絆創膏やら、
常に傷ついているのも何かのキーなんでしょうかね。
エンディングテーマ、
尾野真千子氏の歌声もよかった!
★3/17(土)から全国で公開。