驚いた!外国映画みたいなのだ。
「きみの鳥はうたえる」75点★★★★
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北海道・函館郊外の書店で働く“僕”(柄本佑)は、
失業中の静雄(染谷将太)とアパートをシェアして暮らしている。
“僕”は同じ書店で働く佐知子(石橋静河)が
少し気になっている。
あるとき、佐知子はふとしたことで
“僕”と関係を持ち、静雄とも意気投合する。
“僕”と静雄、佐知子は毎晩のようにクラブに出かけ、遊ぶようになる。
こんな夏が、ずっとずっと続けばいい――
そう思っていた3人だったが――。
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「海炭市叙景」(10年)「そこのみにて光輝く」(14年)
佐藤泰志原作の第4弾。
現代の函館を舞台に、社会に“未だ、漂う”若者たちの日常を描いている。
それにしても驚いた!
外国の映画のようなのだ。
アパートで共同生活し、朝までクラブで踊り、触れ合い、笑う、転げ、また笑う。
登場する3人の若者たちは、等身大に自然で
函館の街も風景も、主人公がバイトするさびれた本屋も、
地方都市そのままで、なにも美化されてないのに、
なんか、カッコいい。
ホン・サンス映画か、ヌーヴェルヴァーグ映画か?って感じで
舞台も、パリか香港か、外国のように見える。
ワシ、この最初のビジュアルイメージが好きよ。
それだけ佐藤泰志氏の小説世界が、いまだみずみずしい、っていう驚きでもあるんですが
なにより柄本佑氏が、いままでにないカッコよさで驚いた!
ヒゲのせい? いや、どこまでもラフで不遜な雰囲気が、信じられないほど(失礼!笑)似合ってました。
「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」(17年)で強烈な印象を残した石橋静河氏の
存在感、そのたたずまいも大きい。
全体、ラフだけど決して雑ではなく、
みずみずしいけど、丁寧で熟がある。
正直、熟練監督の作品かと思って観ていたんですが
なんと、1984年生まれの三宅唱監督作だった!
これぞ、新しい波。
日本で久々に“若い感性”に出合った、と感じました。
★9/1(土)から新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開。※8/25(土)から函館シネマアイリスにて先行公開中。