久々にツボった、ぐねぐね女子もの(笑)
「さよなら、退屈なレオニー」77点★★★★
*******************************
カナダの海辺の街に暮らす17歳のレオニー(カレル・トレンブレイ)は
なんともイライラした日々を送っていた。
退屈な街を出たいけど、なにをしたらいいかわからない。
ステキな家に住んではいるけれど
母親はウザいし、義父は大嫌い。
レオニーは母と離婚し、別々に暮らすことになった実父を尊敬しているのだ。
そんなある日、レオニーは街のダイナーで
ヒゲ面の男(ピエール=リュッック・ブリラント)に興味を持つ。
独身のギター講師である彼は
高齢の母親と二人で暮らしていた。
彼にギターを習うことにしたレオニーは
なんとなく、ギターが楽しくなるけれど――?
*******************************
「スウィート17モンスター」(17年)、「フランシス・ハ」(14年)、「レディ・バード」(18年)などなど
こじらせ女子(って言うと、もうちょっとダサいけど。苦笑)
もとい、曲がりくねったヒロインの
ぐねぐね道を描く作品には良作が多い。
で、
これも予想以上によかったす。
とにかく軽妙でいて示唆に富んだセリフが多く、
監督、デキる人だな、って感じ。
何もかもがいやで、何もかもを壊したい
17歳女子、レオニー。
ぐねぐねと曲がりくねった彼女の道のりは、
まっすぐになりそうで、いやいや、そう簡単にはならない。
けど、きっと、レオニーはいつか何かをやってくれる。
そんなふうに思えるんですよね。
誰に微笑みかけるでもなく、
時々レオニーが、フッと微笑む、
その気持ち、その感覚になんか共感できて、すごく好きだった。
物語が進むうちに
レオニーのモヤっとした苛立ちには、
親の離婚で別れて暮らすことになった父親への思いなど
けっこう深い理由があるとわかる。
そんななか、彼女の性質を「面倒くさそうだ」とズバッと言い当てる、
おっさんギター講師が登場。
まあ、おっさんだけど、許容範囲じゃないか?
彼とこのまま恋に進めばいいのになあ!と、思うんだけど
彼女は決して安易な場所に留まろうとしない。
安住から身を引き剥がすように、次へとエスケープを繰り返す。
そんなちょっとナタリー・ポートマン似の、ふてくされたレオニーが
すごく可愛いんですわ(笑)
しかし「スウィート17モンスター」然り、
こうしたヒロインって、
得てしてファザコンだよね、と思ったり。笑。
そんな思いから
発売中の「AEAR」にて
「父映画特集」を組んだりしてます。
そろそろAERA dotにもアップされるかなーと思いますので
映画と併せて読んでいただけるとうれし!です。
★6/15(土)から新宿武蔵野館ほか全国順次公開。