ピエール・カルダン、ブランドの名前じゃなくて
人の名前だって、知ってました?
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「ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン」71点★★★★
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ファッションだあ?知らねえナァ?という昭和のおじさんだって
知ってるであろう「ピエール・カルダン」の名前。
そのご本人を追うドキュメンタリーです。
ご本人がいまだバリバリ現役、かくしゃくとした98歳(!)
ってことにまずびっくり。
というか、失礼ながらご存命だったのか!
いや、それ以前に
デザイナーの名前だったのか!と驚く人も少なくないんじゃないかなあ。
だって本人も言うんだもの。
「“ピエール・カルダン”が実在すると驚かれるよ。
ブランドの名前だと思われている。広告の成功だね」
ええ、ホントにそのとおりでございます。
1922年、イタリア・ヴェニス近郊に生まれた彼は
2歳でフランスへ移住。
ディオールのもとで働き、1950年、28歳で独立し
「ピエール・カルダン」を創り上げたデザイナーなんですよ。
あまりにその名が偉大で、実は知らないことだらけ――ということが、まず驚きでした。
ドレスを作るだけでなく、
1950年代後半から
日本人モデルを始め多様なモデルを起用し、
ファッション未開の地だった日本、中国、ソ連にも行き、
ファッション業界だけでなく
世界の美の基準にも革命を起こした、すごい人だったんですねえ。
各国とライセンス契約をどんどん結び
事業を拡大していった背景には
金儲けだけでない、
ファッション途上国の産業の促進もあったようです。
もちろん、商人(あきんど)魂もあったと思いますが
なにより、知らないことを知る、好奇心が大きかったのかなあと思う。
特に日本との、浅くないつながりに驚きました。
そして、いつも海外のドキュメンタリーを見ながら、思うこと。
1950年代から最近まで
それぞれの時代でピエール・カルダン氏にインタビューをする人たちの
まあ、敏腕なこと!
さまざまに練った質問を繰り出して、本音を引きだそうとする。
勉強させていただいてます!
★10/2(金)からBunkamura ル・シネマほか全国で公開。