今泉力哉監督の最高作!
「あの頃。」79点★★★★
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2004年、大阪。
劔(つるぎ=松坂桃李)は
うだつのあがらない日々を送る青年。
ある日、友人から「これ見て元気出しや」と渡されたDVDを
ぼんやり再生すると
そこに映ったのは「♡桃色片想い♡」を歌うアイドル・松浦亜弥の姿だった。
思わず画面に釘付けになった劔は
近所のレコード店に駆け込み
「ハロー!プロジェクト」のイベント告知を知る。
そして、趣味を同じくする仲間たちと出会うのだが――?!
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「愛がなんだ」(19年)「his」(20年)などで
勢いのある今泉力哉監督が
かつて「神聖かまってちゃん」などのマネジメントを担当していた
劔 樹人氏(1979年生まれ)の自伝コミックエッセイを映画化。
原作は知らなかったし、世代もほぼ10年違うけれど
当時のあややのキラキラや
モー娘。の勢いを知る世代として
あの時代と空気のビビッドな再生に
ものすごーくハマってしまったw
灰色にモヤった日々に射し込んだ、桃色のあややの元気パワーに
主人公がガツンとくらった感じが、よくわかるし
対象がなんであれ、どんな世代にも
なにかに夢中になった「あの頃」をしょっぱく、切なく
思い出させると思う。
それに女子にとっては
どんなに仲良くても、もうひとつ入ることができず不可解だった
男子の「かたまり」(=椎名誠さんの奥さま・渡辺一枝さんがおっしゃっていた言葉ですごくしっくりくる。笑)の
なんだかわからないけどちょっとうらやましい生態が
リアルに描かれていて、おもしろかったっす。
“中学10年生男子”という彼らの日々を観ながら
なんだか、全員をギュッとしてあげたくなってしまいました。
――いや、してほしくないのは、わかっとんですが(笑)
アニメやゲームに詳しく「ヲタク」と自認する松坂桃李氏が
まさに適任!だし(笑)
若い衆のちょっと先輩役を演じる
芹澤興人さんが、すげー存在感でした。
★2/19(金)から全国で公開。