令和の最初に。
大事なことですからね。
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「誰がために憲法はある」70点★★★★
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87歳になられる名優・渡辺美佐子さんが
憲法を擬人化した、松元ヒロ作の一人芝居「憲法くん」を演じる、という映画。
ただ「憲法くん」の舞台は12分なので、
そこに渡辺さん自身が33年間上演してきた「原爆朗読劇」の舞台を重ねた
ドキュメンタリーになってる。
「憲法くん」というのは
性は日本国、名は憲法、というキャラ。
自分がどういうふうに生まれたのか、
そして、いままで70年以上もがんばってきたのに
いま改正案とか出されて「リストラされるかも!」と
ちょっとのユーモアも交えて、わかりやすく語りかけてくれる。
さらに
「憲法の前文」が朗読されることで
「ああ、憲法ってそういうものなのか」を改めて知る、という劇なんですね。
「憲法」のなんたるかを知ってるか
と問われればどうも心許ないワシとしては
大変に勉強になった。
字面を追うのと、人の声で語りかけられるのって
全然違うんだなあと。
渡辺美佐子さん、凜としてお美しいし。
なにより憲法というのは
戦争の悲劇の責任が「政府」にあったとしっかり明記し、
再び権力を持った者が好き勝手をしないように
“国民が「国」を縛るためにあるもの”なんだ、と語りかけられて
そうか!とハッとしました。
なんか「国に従うためにあるもの」って思ってません?って。
そこが大きなポイントなんだと
知るだけでも、大事な意味がある。
そして上映と合わせて、プレス資料にあった
馬奈木厳太郎弁護士による「改憲についてQ&A」を
配布するといいんじゃないかなあと思う。配布されてるといいな。
さらに後半、渡辺さんと「原爆朗読劇」を続けてきた
名女優さんたちのインタビューもすごく響く。
そのなかで
「日本では、こういう活動をしていると
『あ、そういう人ね』という目で見られる。おかしいですよね」
という言葉があって、ホントにそうだと思った。
政治について、歴史について
知らないほうが恥ずかしいことなのに
そうじゃない空気が作られてることが、ヤバいんですよね。
昨年の米中間選挙のときに
初めて政治的なメッセージをツイートして注目された
テイラー・スウィフトもELLEのインタビューで言ってましたよ。
「政治についてはたくさん勉強した。これからはどんどん発言していく」って。
テイラー・スウィフト関係ねえじゃん?って?失礼しましたー。
★4/27(土)からポレポレ東中野ほか全国順次公開。
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