肉体がぶつかり合う音、音、音――!
「暁に祈れ」69点★★★☆
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タイ。
闇社会でのボクシング試合に出場する
英国人ボクサーのビリー・ムーア(ジョー・コール)は
麻薬に溺れていた。
ある日、家宅捜索を受けた彼は逮捕され
チェンマイの刑務所に収容されてしまう。
そこはまさに「地獄」のような場所だった。
希望を失いかけていたビリーはそこで
「ムエタイ」と出会うのだが――?!
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地獄と名高いタイの刑務所でムエタイと出会い、
生き抜いた実在ボクサーを描いた作品。
言葉はなく、とにかく
ボクサーたちの肉体がぶつかり合う音、音、音・・・・・・!といった感じで
主人公が改心していくとか、わかりやすいドラマも
展開もセリフも説明も、なにもない潔さ。
そのなかで
野獣のように
むき出しのドーパミンを放出する主人公を演じる
ジョー・コールが見事でした。
タイの刑務所は本当に“ブタ箱”そのもので、
豚舎の方がまだ清潔かもと思う。
ざこ寝に、野ざらし便所・・・・・・と悲惨だけど
えげつないような暴力性は思ったほどなくて
「ムエタイ」の持つ儀礼的な側面もあいまって
どこかスピリチュアルな印象もある。
ある種、映画自体が“身体芸術”の趣きでした。
まあ、相当、ボコられるけどね(苦笑)。
★12/8(土)からヒューマントラストシネマ渋谷×有楽町、シネマート新宿ほか全国順次公開。
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