はい、今日の映画は
必見ですよ~
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「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」90点★★★★
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ズゴンと胸を打たれたドキュメンタリー。
そのへんのドラマよりドラマチックで
ミステリアスで
めちゃくちゃおもしろい。
なによりその本人が、いま不在であることに泣けました。
2007年、シカゴ在住の青年ジョン・マルーフが
オークションで偶然に手に入れた写真とネガ。
それは
1950年代からのニューヨークやシカゴの町を写した
ストリート・フォトで
撮影者の名前はヴィヴィアン・マイヤー。
ネットで検索してもヒットなく
写真家ではないらしい。
でもジョンがネガをスキャンして、SNS(Flickr)にアップしたところ
ものすごい反響になった。
実際、いい写真なんですコレが。
で、この映画はジョン・マルーフが
謎の人物ヴィヴィアン・マイヤーについて調べ始める――という展開。
いま彼女の写真はものすごく評価され
写真集が発売されて、超話題なんだそうです。
ワシ、知らなかったので
心底、この映画にびっくりした。
膨大な作品を残して世を去った
画家ヘンリー・ダーガーを知った
あのドキュメンタリーの衝撃を思い出しました。
ヴィヴィアン・マイヤーという人は
実は
1950年ごろからずっと乳母をしていて
子どもの面倒を見るその合間に
ひたすら写真を撮っていたんですねえ。
でも、発表しようとしなかった。
どうしたって興味を引くのが
「なぜ発表しなかったんだろう?」ということ。
誰でも作品を撮ったら、人に見せたくないですか?
でも、彼女はそれを望んでなかったらしい。
おなじみ『週刊朝日』「ツウの一見」でお目にかかった
都築響一さんによると(掲載は10/20号かな)
「創作=発表ではない創作者は多い」とのことなのですが
うーん、自分のネコの寝姿や夕飯の写真すら
アップしてしまう凡人にはどうしてもわからない……(笑)
謎だ……。
それに彼女の写真のよさは
見ただけでハッとするものだけど
彼女に関して残る多くの謎が、
その魅力に加味されているのは否めない、とも思う。
などなど
“創作”という行為の本質も考えさせられた。
発掘した若者ジョン・マルーフ氏は
人の作品を勝手に世に出して、お金儲けをしているとか
批判もあるらしいんですが
いやいや、
彼の労力と情熱はすごいもんです。
拍手したい。
そして
内向的で、ダークな面もあり
独りで生きた「変わり者」ヴィヴィアン・マイヤーの
ゆく果ても、強烈に身につまされました。
必見です!
★10/10(土)からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」公式サイト
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