ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ふたりの旅路

2017-06-23 23:40:23 | は行

日本から
この二人を選んだセンスにブラボー!


「ふたりの旅路」69点★★★★


****************************


神戸で一人暮らすケイコ(桃井かおり)は
ラトビアの首都リガで開かれる
着物ショーに参加することになる。

美しい街リガでは
着物に憧れる大勢の市民が
ショーに詰めかけていた。

だが、ケイコはショーの会場で
ある人物を見かけ
おののき、我を忘れる。

それはそこにいるはずのない男(イッセー尾形)だった――。


****************************


ラトビア出身の監督が
桃井かおり×イッセー尾形を主演に撮った作品。

冒頭から惚けたような表情で
着物姿でゆらゆらと異国をさまよう桃井かおり氏。

一瞬
「BSでやりそうな情緒豊かなラトビア散歩――?」と思いきや
謎のイッセー尾形の登場で
じわじわとストーリーが動き出していく。


彼を見て、おびえる桃井氏の様子、
ほかの人には見えていない様子から、
どうやらイッセー尾形氏は幽霊らしい。

よく知っている人物・・・でもこの他人行儀な会話は、夫ではないのか?

――と、すごく謎めいているので
全ては映画を観ていただいたほうがよさそうです。


観ていくうちにいろいろな謎が解け、
冒頭からの桃井氏の表情、着物を取り出す様子、

20年前の阪神大震災の影、
そして
ラスト、舞台に見える白無垢の花嫁――全てがつながってゆく。

監督は1960年、ラトビア出身の
マーリス・マルティンソーンス。

2010年から、その才能に惚れ込んだ桃井氏とタッグを組み、
今回が3度目のタッグだそう。


全てを俳優、いや、観客に「あずけた」
この潔さを評価したいと思います。


★6/24(土)から渋谷ユーロスペース、丸の内TOEIほか全国順次公開。

「ふたりの旅路」公式サイト

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ありがとう、トニ・エルドマン | トップ | ボンジュール・アン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

は行」カテゴリの最新記事