『さむがりやのサンタ』は
子ども時代からの大フェイバリット絵本。
いまだにキャンピングカー暮らしに憧れてますから。
「エセルとアーネスト ふたりの物語」73点★★★★
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1928年のロンドン。
貴婦人の家でメイドとして働くエセルは
ある日、牛乳配達をする青年アーネストに出会う。
毎日、お互いの姿を探すようになった二人。
そしてついにアーネストはエセルをデートに誘う。
2年後、二人は結婚し、ロンドン郊外に小さな家を買った。
やがて息子レイモンドが誕生するが
次第に戦争の影が、一家の幸せを脅かしていく――。
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『スノーマン』『風が吹くとき』
そして『さむがりやのサンタ』の作者レイモンド・ブリッグズ。
彼が自分の両親の人生を描いた原作を
アニメーション化した作品です。
両親二人が出会う1928年から、戦争をはさんで1971年までを描いていて
まず
鉛筆書きの素朴なタッチと、
なめらかなアニメーションの融合がとても美しい。
イギリスの市井の夫婦の
何気ない日常のあたたかく楽しいさまが
実に生き生きと活写されているんです。
レトロな湯沸かし器や洗濯機など
昔懐かしい暮らしが、愛おしい。
彼らの小さなしあわせが、不穏な戦争の影に覆われていく様子など
まさにイギリス版「この世界の片隅に」(16年)!という趣きで
その相似も興味深い。
夫婦のキャラクターも非常に立っていて
夫アーネストより5歳年上の妻エセルは
しっかり者で、ちょっと見栄っ張りなところもある。
いっぽう夫のアーネストは楽天的で、ちょっぴり繊細。
夫は労働党支持者で、妻は保守党びいきで
二人のやんわりとした家庭内政治談義も、
時代を写していておもしろいんですよ。
そんな二人にも
やがて老いが忍び寄ってくる。
1971年に、エセルが亡くなり
まさに追うように、同じ年にアーネストが逝く、という(涙)。
夫婦はきっといまも雲の上で
寄り添っているのだろうな、と思います。
ちなみにレイモンド・ブリッグズさんは現在85歳。
いまも、創作を続けていらっしゃいます!すごい!
★9/28(土)から岩波ホールほか全国順次公開。
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