
2本を一緒にご紹介。

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「光のノスタルジア」66点★★★



「真珠のボタン」69点★★★☆




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1941年チリ生まれのドキュメンタリー作家で
かのワイズマン監督にも絶賛されている


パトリシオ・グスマン監督の作品です。

2作品を一挙公開ということで2本紹介いたします。
まず
「光のノスタルジア」(90分)。
チリの砂漠は天文観測にうってつけの条件が揃っているそうで


世界中の天文学者が集まってくるホットスポットなんだそうです。

そこに集まった天文学者たちへのインタビューなどから
話は宇宙へと飛び、

さらに
かつてのピノチェト独裁政権下で
殺された何万もの人々の骨を
砂漠で探し続ける遺族の女性たちの話に移っていく。


ものすごい映像美……というのとはちと違うんですが
ハッとさせる魅力があります。

ロバート・キャパのドキュメンタリー「メキシカン・スーツケース」でも
遺骨を探す女性たちの話を見たなあ、と思い出し、

そして砂漠にいる天文学者たちも
彼女らに目を向け、
「過去の声を聞く」彼女たちを
何万光年も前のまたたきを追う、自分たち天文学者と同じだ、という。
そこに「ハッ!


ただ、映画としては
「真珠のボタン」(82分)のほうが、おもしろかった。
「光の~」が砂漠のイメージならば

こちらは“水”。



パタゴニアの名のもとになった
「足でか族こと“パタゴン”」と呼ばれた
先住インディアンたちの悲劇の歴史を追っていくもの。

単純に映像における
湿り気がありがたかったりもして(笑)。


身体に絵を描く先住民族と宇宙のつながりなども
興味深かった。

まあ、先に「光の~」を見たので
単に監督独特のリズムに慣れたのかもしれません(笑)
★10/10(土)から岩波ホールほか全国順次公開。
「光のノスタルジア」/「真珠のボタン」公式サイト
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