やっぱり「ハリポタ」って
ホントに“イギリス名優年鑑”みたいなものだったなあと。
「輝ける人生」74点★★★★
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イギリス・サリー州の豪奢な邸宅に暮らす
60代の専業主婦サンドラ(イメルダ・スタウントン)。
充実の中流セレブライフを送っていた彼女は
しかし、あるとき夫の浮気を知ってしまう。
激怒したサンドラは家を飛び出し、
10年近くも疎遠だった姉ビフ(セリア・イムリー)を訪ねる。
自由気ままに生きるビフはロンドンの古い団地で独身ライフを満喫し、
サンドラとは正反対のタイプ。
そんな姉に反発しつつも
サンドラは姉との暮らしで、見失っていた自分自身に気づいていくのだが――。
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超・良作「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」(14年)の監督作。
うん、これもいい映画。
夫の浮気にブチ切れて、姉の元に転がり込んだ60代の専業主婦。
豪邸から団地暮らしになり、タイプの違う姉との生活ですったもんだしながらも
自分自身と人生に気づいていく――というストーリー。
実際、展開は読めるところもあり
セリフはやや凡庸だったりもするんです。
それでも!
やっぱり「ダンス」や「音楽」は、最高のワクワクをくれるし
なにより
生きること、楽しむことに貪欲な姉ビフのキャラクターがいい!
彼女の輝きに、観ているこちらも照らされるようでした。
71歳のリチャード・ロンクレイン監督は
こうありたい!と思わせる「シニアライフ」を
リアルに描くのがうまいんですね。
生き生きと楽しいビフのまわりには
親友のチャーリー(ティモシー・スポール)をはじめ
自然体の「おもしろ人」が集まってくる。
もちろん、各人いろんな事情を抱えていたりもするけど、
彼らはそれぞれが「個」として立っている感じがする。
ビフのオンボロ団地で
そんな仲間たちがクリスマスを祝う、その楽しそうなこと!居心地よさそうなこと!
ああ、こんなシニアライフを送りたい!と思いました。
イギリスの名優たちの競演も見どころで
イメルダ・スタウントンは「ハリポタ」のピンクの衣装のドローレス・アンブリッジ役で知られているし、
ティモシー・スポールも言わずと知れた「ハリポタ」のペティグリューですからねー。
そして
死を恐れる妹サンドラに姉ビフが言う
マーク・トウェインの言葉の引用が、けっこう残りました。
「私は生まれるまでずっと死んでいた。でもなんの不都合もなかった」
――達観!
★8/25(土)からシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
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