ポール・ダノ初監督作。
やっぱセンスいいなあ!
「ワイルドライフ」74点★★★★
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1960年代、米モンタナ州の田舎町。
14歳のジョー(エド・オクセンボールド)は
ゴルフ場で働く父(ジェイク・ギレンホール)と
元教師でいまは専業主婦の母(キャリー・マリガン)のもとで
平穏に日々を送っていた。
が、ある日、父がゴルフ場の仕事を解雇されてしまう。
そして父はボランティアといっていいほど安月給なのに、めちゃ危険な
山火事消火の仕事に行くと言い出した。
ずっと父をたてていた母だが
「あなたは逃げているだけよ!」と
仲良しだった夫婦に、口論が増えていく。
やがて母は生活のために働きに出るといい
濃い化粧をして出かけるようになった。
次第に、噛み合わなくなっていく夫婦。
そんななかでジョーは、自立せねばと
地元の写真館でアルバイトを始めるのだが――?
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いや~、マジ、びっくりしました。
ポール・ダノ、初監督とは思えないセンス!このクオリティ!
名作「リトル・ミス・サンシャイン」(06年)で
超ナイーブな青年を演じ
その後「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(07年)で
ヤバい宣教師を快演し
私生活でもパートナーであるゾーイ・カザンとの「ルビー・スパークス」(12年)などなど
センスよし&個性派の筆頭であるポール・ダノ。
本作はゾーイ・カザンとの共同脚本だそうで
うん、この人、本物だった!
なによりまず
主演二人がキャリー・マリガン×ジェイク・ギレンホールって
おいしすぎでしょ(笑)
で、内容は
1960年代のモンタナ州の田舎町を舞台に、
すこしセピアがかった懐かしい雰囲気のホームドラマで
1シーン、1カットが
写真集の1ページのように大切に作り込まれてる。
もちろん、お話のほうも、ちゃんとしてます。
平凡ながら幸せな30代の夫婦と、おとなしめで優しい雰囲気の息子。
そんな優良家族が、父親の失業で少しずつ、ほころびを見せていく。
「心を燃やすなにか」を探し、
いまだ大人になりきれない30代の父と母。
そりゃそうですよね、30代なんてそんなもんですよ。
でも、子から見れば、父と母は絶対的な大人なわけで。
本作は少年が
「父と母」が絶対ではなく、「それぞれ、ひとりの男と、女なのだ」と気づき
嫌悪し、失望しながらも
それを認めることで
大人になっていくプロセスを
やさしく、繊細に描いているんです。
それが、まあ、いい感じなのですわ。
そしてジョー役のエド・オクセンボールド君がまた
ポール・ダノの分身か?!ってほどに
そっくりなのも興味深いのであります。
横顔から鼻のラインとか、似すぎよ(笑)
いいねえ。
おなじみ映画.comさんで
本作のレビューを書かせていただいております。
併せてご参考くださいませー。
★7/5(金)YEBISU GARDEN CINEMA、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
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