25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

世界はどうなっていくのか

2016年11月22日 | 社会・経済・政治

  日本はそもそもが外国人に対して排外主義であり、場当たり的に外国人労働者を入れては返すということをやっている。だからヨーロッパに押し寄せる難民についてはピンと来ないのかもしれない。安い労働力を必要としたから、移住にも寛容であったが、その数が多くなってきて元からいた若者たちが職を奪われると、排外的な気分が出てくる。

 イラク、シリアの難民はそれぞれの国内の混乱によって起こっているのだから、混乱が収まり、安定した政権ができたら、祖国に戻すという臨時措置をとることも可能ではないだろうか。

 この難民の動きがイスラム原理主義とも絡み、排外主義傾向が強まっている。イギリス、アメリカ、そして来年選挙のあるオーストリア、フランス、ドイツ、オランダなど、右派勢力が勢いを増している。右派とは何なのかと言えば、ヨーロッパでの場合、EU反対、自国経済優先、移住労働者の禁止または、抑制である。日本の場合の右派とは違っている。

 世界の動きはどうなっていくのか。中国とインドを中心としたアジアに経済の中心が移っていくように思える。なにせ、インドで12.52億人、中国で13.7億である。アメリカで3.165億人だから桁が違う。膨大な消費人口を抱える両国はまだまだ経済成長ができる能力がある。特に使えない砂漠の開拓を本気だしてやれば、さらに潜在能力は高まる。金融はこのような不毛の土地と言われたところへに投資に向かうかもしれない。きっとそうなるだろうと僕は密かに思っている。内モンゴルに行ったとき、強く思ったのだった。

 あちこちで紛争が起きそうな気もする。アメリカを中心とした世界をトランプ次期大統領は再び築こうとしているように見える。一見保護主義的なことを述べ、「偉大なアメリカをもう一度」と言っているが、アメリカだけが栄えることを意味して言っているようには思えない。強いアメリカを取り戻し、再び世界的にも強いアメリカを作り出したいという気持ちを持っているように思えてならない。日本や韓国での核武装容認などもその気持ちの延長上にあるように思える。日本は早く従属国家を脱して、理念を掲げ、自立しなければ、いつでも戦争に巻き込まれる可能性が高い。まだ大統領にもなってないトランプに急いで尾っぽを振りにいく安倍首相を僕はみっともないと思う。人事に陣容がわかってくるまで様子見をしていてもいいのだと思う。すでにトランプの登場で、ロシアが態度を変え、トランプの様子見をしている。北方領土の二島でも先に還ってくるのかと思ったら、そこまで日本に経済的にすり寄ることもない、とプーチンが思ったのかもしれない。仲の良い、相性のよい安倍ープーチンということだったが、国民の意思を担う外交というのは相当に難しいものなのだろう。

 アメリカが中国と仲良くしていくのか。アメリカとロシア、インドで中国を牽制し包囲網を作るのか、各国と協調していくのか、テロが起こればどうするのか、来年の一年でその動向が見えることだろう。

 株価はトランプ期待で上昇している。円安も続いている。しかし一方で、デフレが再び始まっている。地方の過疎化は進む。収入の格差が広がる。借金生活はなおも続く。女性も老人も働かざるを得ない社会になっている。そこには穏やかな、慎ましい社会像というものがない。