エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

銀木犀の花と雲

2012年10月15日 | ポエム
銀木犀が咲いている。
金木犀と違って、白っぽい花である。



今年の木犀は香りが少ない。
色も淡い。
花が小さい。
花数が少ない。
咲き方が遅い。



と、文句ばかり言いたくなる咲き方である。
夏の異常な暑さのせいであろうか?



しかし昼の雲は見事だった。







「ちぎり絵の輪郭淡きいわし雲」


「雲重ね重ねるほどに空高し」







一筆で書きたくなる雲である。
雲を重ねた「ミルフィーユである。

甘い甘い洋菓子も良いけれど、ぼくはやはり和菓子が好きである。
それも濾餡の饅頭が良い。



夕方、空をいわし雲が覆った。
見事な鰯である。

スケールの大きな雲であった。



ミルフィーユの残滓のような雲もあった。
砂糖とバターが零れ落ちて来そうであった。



      荒 野人