=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

木工家には見守る奥さん

2009年02月03日 | 【インタビュー】木の先人方
今日は家から徒歩10分にある外山家具さんを訪問させて頂きました。

外山家具さんの外山さんは、学校卒業と同時に修行を始め、10年の修行の後独立をされました。主には、住宅の設計士からの依頼で、フラッシュを主体にしたオーダーメイド家具を設置していらっしゃいます。
その他住宅以外にも店舗や病院などの棚を製作されることも多いようです。

開業当初は、今の作業場の1/3程度の狭い作業場からスタートし、順々に機械設備を拡充させて現在の広さの作業場になったそうです。
設備投資の総額は1000万円くらい。
「おぉ、1000万円の資本投入はちとつらい」と僕も思いましたが、最近は高齢になり廃業される業者さんもいらっしゃるので、そうした設備を安く譲ってもらえれば、15%くらいまで投入資金は圧縮できるかもしれないとのこと。
でも機械は上を見たらキリがないようで、次から次へいい機械、性能のよいものが欲しいという欲求は起きるが、昔の機械でもしっかり使えるようです。
私も自分自身、篠笛を習っていてそんなにうまくない時分から、高い笛が欲しくなってしまった経験がありますが、まずそんないいものを買っても使いこなすことができないことは、この人生で重々わかっているつもりです。

最近は不景気の影響もあり、お客様からのコストダウンの要望も高まっているようで、「時間をかければいいものを作ることができる」と外山さんもおっしゃっています。
しかし、限られたコストと納期の中で、一定以上の質のものを作っていくことがプロ。
そのためには、機械を使って効率的に作業を行う必要もあるし、業務のエリアも限られるし(お声がかかればどこでも行きたいが、自分の利益を考えると関東近辺、山梨くらいまでが実際の営業エリアのようです)、「自分のイメージとは違うものを作らなければならないこともあり、いろいろ大変です。これはどんな業界、仕事をしていてもきっと同じですね。でも、プロに求められる「スピード」というのは欠かせないものだと思うので、今後の仕事の中でも強く意識していきたいと思います。

「楽しいと思えれば仕事は続けられるし、それには不器用なほうがいいかもしれない」
外山さんの修行時代の仲間も数多くいたが、結局独立を果たしのはご自身だけだったようです。
外山さんいわく「仲間の中で私が一番不器用でしたが・・・・。でもやっぱり好きなんですね。だんだんと形になってくるのが楽しい。」控えめながらもそう話される外山さんの言葉に私はなぜか励まされる感じがしました。そして、そのご主人の隣で、「そうねえ、あなた楽しそうにしてるわね」とおっしゃる奥様の見守っている姿がとても印象的でした。

外山さん、お忙しい中本当にありがとうございました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人のご縁は連鎖する!

2009年02月03日 | 【お出かけ】木のむくまま
日曜に行った館山市博物館で手帳を落とすという大失態をしてしまった私は、休館日明けの朝に急いで電話をすると案の定、手帳が見つかってほっと胸をなでおろす。
その手帳を受け取りに行った際、せっかくなので今日の散歩はこの近辺を回ってみようと館山城下をぶらぶら。

大きく海に突き出した館山の桟橋を歩いていると、まるで海の上を散歩しているような気分になってきたので勝手に「シーウォーク」と名付けた。



その足で駐車場への帰路に着くと、ふと目の前に明治大正風のレトロな建物が目についた。(冒頭写真)

見れば「小山記念館 見学はご自由にどうぞ」と書いてある。
ふと興味がわいてドアを開けようと引くと、「ガシッ」。鍵がかかっている。「あれ?ウェルカムでないのかな」と思っていると、中からガチャガチャやって鍵を開けて一人の男性が出てこられた。こちらの方がこの洋館を事務所としていらっしゃる「NPO 安房文化遺産フォーラム」の代表、愛沢さんでした。

後でわかったことですが、
今日は見学可能な開放日でなく、「最初はあまり長く説明するつもりはなかったんだけどね」と愛沢さん自身がおっしゃってくれましたとおり、最初は普通にこの小高記念館のご説明をしてくださっていた愛沢さんでしたが、
話が進むうちに「ご住所が那古で私と一緒」、
さらに「お父さんが家具職人」だったという偶然が重なり、
結局その後1時間くらいお話をさせていただき、おまけにコーヒーまで頂いてしまいました。

そしてそのコーヒーを片手に飲んでいると壁に飾ってある竹細工の錦絵に目が止まりました。
一昨日館山市博物館で「南総里見八犬伝展」を見てきた私には、その絵が里見八犬伝の絵のように見えて思わず「あちらの竹細工は?」と聞いてしまいました。
すると、そちらの竹細工は吉田さんという青木繁に関する保存会を主宰されている方のものでしたが、そちらの師匠は船形の小林先生だという話が出て、

「船形の小林さんって、昨晩その息子さんとお茶してましたよ、私。幼稚園時代からの友達なんで」という展開に。

愛沢さんからは、職人の道を目指すのであれば地域の偉大な職人さん小林先生にお会いしておくことは大きな財産になると勧められ、私は早速その友人の小林さんにメールしておきました。
そんなこんなの偶然が重なり、思わず話がいろいろと発展しまいましが、こういう連鎖が起こるときって本当面白いですよね。
手帳を博物館に忘れたこともすべて「必然、必要。ベスト」だったような。思わず船井総研での教えが頭に浮かびました。

また突然の訪問にも関わらずお相手頂きました愛沢さん本当にありがとうございました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする