=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

見かけなんて二の次

2009年06月04日 | 【授業】伊那技術専門校木工科
左から、四方胴付きほぞ、小根付き三方胴付きほぞ、面腰三方胴付きほぞ という仕口で木材を組み合わせています。

こうやってみると、木のおもちゃで遊んでいるように見えますが、本人達はいたって真剣です。

このほぞ組みは、もちろん見た目も綺麗なことが大切ですが、それに気をとられて、隙間のないようにいろいろと削っていても仕方ないのです。

最も重要なことは、

「直角に組み合わさっているか」

ということです。

さもなくば、ドアならひし形のドアになったり、箪笥なら台形になってしまったりという最悪の事態が発生します。

ですので、まずは二つの部材が直角に組み合わさっていることを確認し、そのうえで隙間がないようにぴったりと細工していくことが大切なのです。

その他にも、ほぞの厚みはそこそこでも、幅はその材を締め付ける場所なので、特に重要。どこに力がかかるのかを考えることも大切です。

インストラクターの菊池先生は、そのあたりを冷静にズバリ教えてくれる頼もしい先生です。


「何事も最も大切なことは何か?」

肝とかツボとか、はずせないポイントとかいろいろ言い方はありますが、それを一瞬できちんと捉えることが大切ですね。でもそのあたりを、きっちり押さえているのが経験であり、プロなんでしょうね。

早くプロ目指します!
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「勝手墨は100メートル先からわかるくらいにつけろ」

2009年06月04日 | 【師の教え】田中語録
勝手墨とは、木材のどこの辺を基準に平面や直角を出しているかや、二つの部材を組み合わせせるとき、どの向きで組み合わせるかを示す印です。
普通、鉛筆で「シャッ、シャッ」と引きます。

この勝手墨は印さえつけて、自分だけがわかればいいというものではありませんでした。

理由は、この勝手墨をつけた部材を、別の人が機械加工をする際に、平らな面を当てて安定させて機械を通さなければ、材木がはじけとんで大きな怪我にもつながることがあるからです。

そのため、勝手墨は、誰が見てもわかりやすく、大げさに言えば100メートル先からでもわかるようにはっきりとつけなければいけないのです。
(終わり)

→「田中語録への思い」はこちらをご参照。
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空飛ぶ木片

2009年06月04日 | 【安全情報】ヒヤリハットり君情報
今週から、木工加工機械の説明の授業が始まっています。

直径約30センチの刃物が高速回転する様は、たしかに恐怖です。

しかも、恐怖はさらにあります。

切削しようとする木材が、ぶっとんでいってしまうことがあるからです。

実際に起こった事件では、その飛距離およそ10メートル。

写真1

手前にある機械から、奥の壁まで飛んで、ご丁寧に壁を破壊してくれています。

写真2

その破壊された壁

原理は、刃物とはいえ高速回転をしているものに、木材という物体をぶつけていくわけですから、衝突の勢いで一方がはじきとばされることもあるというものです。

理由としては、

1.木が反って刃物を挟み込んでしまうケース
  →面倒ですが割刃をきちんとセットする。

2.板がまっすぐ刃物に当たっていかないと、円運動をしている刃物の後ろの刃も木を切断することになり、それによって板が上に跳ね上げられてしまうケース
  →機械の定規を正確にセットする。

3.材料に凸凹があり安定しないために、弾き飛ばされるケース
  →勝手墨をわかりやすくつける(田中語録参照

があります。


木片が空を飛んでくるのですから、怪我ではすまないこともあるでしょう。

要注意です!!
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